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「風の時代」に思う。他人との付き合い方について。

今朝、身支度を整えながら、ふと思い出した人がいた。

今から10年以上も前。今はJKの次女が、まだ保育園に通っていた頃のこと。

保育園の父母会の、私は会長をやっていて、その年の役員に彼女はいた。

Aさんは、とても控えめで物静かな人。決して暗い印象は受けなかった。

保育園の父母会と言うものの、じつはやることが結構あって、行事の運営からベルマークの整理まで、思ったよりも忙しかったのを覚えている。

Aさんは子供同士が同じ学年ということもあり、話す機会も多かった。

日頃から役員みんなでコツコツとやっていたベルマークの整理の、最後の詰めの部分でなかなか終わらなかったとき。時間が終わっても、彼女だけが残ってくれて最後まで2人でやり切ったこともあった。

お迎えの時間帯も大体同じような感じで顔を合わせると声をかけたし、当時父母会の連絡用ツールとしてメールを使っていたから個人的にやりとりをすることも多かった。

変に我が強かったり個性的な人が多い中、彼女は何かを主張することもなく、色で言えば無色透明に近い感じ。決して人のことを悪く言わないから、安心できる人だと思っていた。

子供たちは卒園し、それぞれ別の小学校へ。それからは顔を合わせることもなくなったのだが、時々メッセージは届いていた。それは、私の近況を聞いてくる内容だった。

「こんにちは、Aです。学校は、どう?」

「あ〜久しぶり!学校はね、○○が△△で、ああなって(長い説明)なんだよ」

「そうなんだ。□□はどうなの?」

「□□はね、(長い説明)」

「へ〜。じゃあ、××は?」

「・・・。」

彼女は自分のことを話さない。そして質問に対する私の答えを相槌ひとつで終わらせ、次の質問をする。そしてエンドレス。楽しいのか?

毎日顔を合わせていたときは気づかなかった、彼女の側面。

ちょうど、LINEに移行するタイミングだったと思う。彼女から、今度はLINEでメッセージが届いた。

もう、返信することはできなかった。

申し訳ないと思いながら、明日こそはと思いながら、それでもどうしても返信することができなかった。

べつに嫌いになったわけじゃない。好きになってはいけない人と恋におち、シングルマザーを選んでママ友になった彼女。その相手にDVされたというショッキングな過去を聞かされたこともあったけど、だからどうと言うわけではない。私だってバツが1つ付いているし、後ろ暗い過去のひとつやふたつは持っている。逆に、家族に支えられながらも女手ひとつで子供を育てている彼女のことを「頑張っているな」って思っていた。

それでも突然彼女のことがダメになった。何回メッセージが届いても、返信することはできなかった。

一度だけ「返信できなくてごめんね」ってメッセージを返したことがある。説明も何もないままに、短い文面で。そして私は遠方へ引っ越した。

あれから7年。当時ママ友は多くて私は結構有名人だったので、どこかで引っ越しのことは耳に入っているのかもしれない。こちらに来てから、忘れた頃に1度メッセージが来たけれども、既読すらつけることができなかった。

いまでもFacebookを開くと時々そこに彼女がいて、気まずさをやり過ごしている。


そんなことはnoteの世界でもごく稀にあって、ある日突然その人の文章を受け入れることができなくなってしまったことがある。

行く末を心配しながら祈る気持ちで読んでいたのに、スキを押すのが辛くなっていることに気づく。毎日記事を読みながら、ものすごく違和感を感じていた。違和感の正体は分かっている。一見前向きなことを書きながら、その人の記事は私が普段発したくない言葉がよく使われていた。そのことについて、余計なお世話かもしれないけれど一度本人との会話で触れてみたことがある。その結果、同じ言語を喋っているはずなのに会話が噛み合っていないと感じ、そのときに「もう私の言葉は通じないんだな」って思った。

そしてとうとう自分の気持ちに嘘をつくことができなくなり、スキを押すのをやめてから随分時間が経過した。

でもその人のファンもたくさんいるわけだから、その人が人として何ら間違っているわけではない。

その人と私の、どちらが良いとか悪いじゃなくて、ただ「違うだけ」。

先に話したAさんも、noteで出会ったその人も、同じ世界で生きているようでじつは同じパラレルでは生きられなくなったのだと理解している。


そんなことを思いながら、最近携帯を新しくした。「風の時代」と言われるこの時代、もっと軽く、もっと自由に生きるために身の回りを整えているところだけれど、アドレス帳の中に入っているたくさんの過去の知人も一掃した方がいいんだろうなって考えている。

そして同じ価値観を共有できる仲間達と、楽しくつながっていきたいなと思います。わくわくするような会話をたくさんしたい。

と、ここまで、夜中のテンションで書いてみた。ありがとう。

未来はいつも面白い!