フラワーホール

パイロットの親指は幸運を祈るため…
赤ちゃんの親指はしゃぶるため…
男の子の親指は『じゃんけんダイナマイトーーー』を行うため…


人の親指は各人の使い道がある…


して、完全究極生命体である女性は親指をいったい何のために使うのか…

これは紀元前以来の疑問だった。


時は21世紀、まさに現代。

そんな超S級ミステリーに一筋の見解が差し込んだ。


それは朝の電車に腰を下ろしてしばらく、、、なにげに正面を見上げたときのことだ。

コロナウィルスが絶頂の昨今、立っている人はこぞってマスクを付けていたが、

正面に立つ女子高生はふいにマスクをアゴに掛け、

指全体で隠すように鼻をさすり始めた…



そして、

申し訳程度に


親指で鼻の穴を掘り始めた。


詳しく言うと、鼻の壁面を掻くような堀り方だ…


その映像が視覚より脳裏に到達すると!

これまでの経験と…
女子高生のヴァージンスメル…
そして二人の鼻くそが混ざりあい…


私の中に知識のカクテルが出来上がった。


直ぐに立ち上がり…

『そのまま!…続けて…!』と興奮気味にJKに話しかけた。

状況も飲み込めず、迷惑そうにするJKは否応なしに鼻を掘り続ける。

『いいよ…その調子…』
鼻掘りに相づちをいれていると
JKの顔も自信に満ちたものなってきた。

……どーやら、彼女の役者魂に火をつけてしまったようだ。

最高のシチュエーションの鼻掘りは多くの気付きを与えてくれた。

女性の親指の形…
爪の質感…
鼻の穴の丸み…

そして、
その全てが示唆していた…

女性の親指が鼻を掘るためにあると…!


その事実をJKに伝えると…

『ただただ卍なんだな』と言われた。

………私は再び椅子に座る。

ぼろり…
JKの鼻からこぼれ落ちた鼻くそがスーツのズボンに落ちてきた。


…おもむろに口に運んだ…



『………しょっぺぇ…』



女性の親指が何のためにあるかは分からなかったが、

短い人生には色々なスパイスがあるからこそ長く感じるのだと…

そんなことを感じた3月上旬。