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*【文学】「アルベール・カミュ『正義の人々』」

… 1949年に書かれた戯曲作品。

帝政末期のロシア。

1905年2月、セルゲイ・アレクサンドロヴィッチ大公に革命派のカリャーエフが爆弾を投げつけようとしたそのとき、大公の二人の子供が目に入り爆弾を投げられなくなった。

組織の命令に背いた同士にステパンは、「二人の子供を殺さなかったばかりに、これからロシアの幾千の子供たちが餓死して行くのだ」と非難する。

◆ 憎しみの彼方へ

もう一人の同士ドーラは、カリャーエフの断念に理解を示し、ステパンのような考え方では、「革命が人類全体の憎しみの的にな」り、大公の「二人の子供たちが死んでも、飢え死にする子供は減りはしない」と理解を示す。

そしてカリャーエフ自身は、「すべてを与えること、報いられる希望もなしにすべてを犠牲にすること」で「憎しみの彼方」に行くことを希求する。

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