*「知的訓練に乏しいと左翼も〝相殺メンタリティ〟でネトウヨ脳になる」
… 例えば、ベトナム戦争時の韓国軍のレイプの多発は紛れもない史実だ。
そして、「ライダイハン」(Lai Đại Hàn)と呼ばれる韓国軍兵士とベトナム女性の間に生まれた子供たちへの差別が大きな社会問題になった。
こういう問題を持ち出すと、単細胞な左翼は、ハヴロフの犬のような条件反射で〝嫌韓〟のネトウヨと思い、闘牛場の牛のように突進する。
もちろん、「ライダイハン」を持ち出すものに〝嫌韓〟のネトウヨは存在する。
しかし、そうでない者も存在する。
◆「ライダイハン」問題を最初に採り上げたのは左派の『ハンギョレ』新聞
韓国でこの「ライダイハン」問題を最初に採り上げたのは、日本の週刊金曜日あたりに相当する左派のハンギョレ新聞なのだ。そのため在郷軍人会から編集部を襲撃されるという事件さえ起こった。
たとえ自国の恥になることでも史実を見つめなければならないという、日本の左翼やリベラルと同じ発想だ。
そもそも、保守や右翼と違い左翼やリベラルは、普遍的な価値基準と考え方を持っているはずだ。
ところが、在日韓国・朝鮮人などのことになると、やたらに持ち上げ、韓国人や朝鮮人だろうが日本人だろうが、立派な人間もくだらない奴もいるという当たり前のことが忘れられ、不都合は目をつぶり、ただ持ち上げれば良いと思っているインチキ左翼がいる。
◆『DAYS Japan』は写真以外はダメ雑誌だった
例えば、先般廃刊になった『DAYS Japan』という雑誌がある。
確かに同誌の写真は世界一流だ。
しかし、記事には、まるでネトウヨの左翼版のような〝相殺メンタリティ〟丸出しのお粗末なものが少なくない。
同誌の2018年8月号の特集は「日本、朝鮮半島分断への責任」というタイトルからして胡散臭いものだった。
この特集は三部立てだが、内容は大きく二つにわかれていて、一つは朝鮮学校の歴史を記述したもので、これは悪くない。
しかし、それ以外の歴史認識は、まさに〝ネトウヨの左翼版〟とも言うべきトンデモないものだった。
その中にこういう記述がある。
「日本の植民地支配の中で、朝鮮半島では、それこそ日本による『拉致』と呼べる、規模にしては比較にならない強制動員や軍の性奴隷制度がありました」
北朝鮮による拉致問題を戦時中の日本帝国による強制徴用と比較する、実にトンデモない発想だ。
拉致事件と戦時中の強制徴用は、歴史上異なった位相で起こったもので何の関係もなく、それぞれ別の理由で不都合なのだ。
しかし、〝ネトウヨ脳〟のインチキ左翼はそれがわからない。
知的訓練に乏しいと〈左翼〉も〝相殺メンタリティ〟でネトウヨ脳になる。
◆ 歴史修正主義は〈右〉の専売特許ではない
こんなことをやっていたら、「南京事件を批判するのに通州事件はどうなんだ」というネトウヨの歴史修正主義を批判できない。
ベクトルが違うだけで同じことをやっているわけだから。
さて、ソ連が消滅したからそこに中国や北朝鮮を代入して冷戦ごっこを接ぎ木するのは、単なる党派のイデオロギーであり、その正統性を自己の内に求めるなら、左右どちらの正統性を言い立てても、結局自己陶酔と権威主義に行き着くだけである。
批判的知性が行使できない無謬の教条によるカリスマ支配を許容したら、ヒトラーやスターリン、毛沢東やポルポトの劣化版が際限なくうまれるのは当然であり、パワハラ、セクハラの腐葉土ができるのも当たり前なのだ。
権威主義的独裁が〈右〉の専売特許と思うのは、歴史を知らなすぎる。
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