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*【歴史】「モーリス・バレス裁判」

… 1921年5月13日にキャバレー・ヴォルテールで行われたタダイストたちがナショナリストの大立て者モーリス・バレスを嘲弄する裁判を行った。

トリスタン・ツァラ、アンドレ・ブルトンからドリュ・ラ・ロシェルまで当時の前衛作家を網羅したこの模擬裁判を境に、フランスの作家や芸術家たちは、1930年代の〝政治の季節〟に突入していった。

モスクワに忠実なアラゴン、トロツキーに系統するブルトンからファシズムに魅せられて行くドリュ・ラ・ロシェルまで、誰もファシズムとコミュニズムで沸騰するヨーロッパの政治から免れることはできなかった。

国家主義の大立て者モーリス・バレスは、ジッドが登場するまで、フランス「思想の師」と考えられており、モーラスのような右翼「アクシヨン・フランセーズ」からド・ゴール将軍、またカミュやアラゴンのような左派の作家たちにも息の長い影響力を行使した。

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