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*【日本の偉人】「〝和敬塾〟を創設した前川喜作氏」

… 日本で最初に製氷機を開発した前川喜作氏は前文科次官の前川喜平氏の祖父。

「工作機で何でも造る」をモットーにアンチピラミッド型経営を唱え、上意下達の従来型の会社経営を否定し、「頭だけで考えるな!感じたことをみんなで考えよう」という現場主義を徹底した。

前川喜作氏はまた、〝和敬塾〟という学生向けの寄宿舎を造り、社会の指導的立場に立つ者こそ高い倫理感を持たなければならないという考えから、仏教やキリスト教の聖職者を招いて繰り返し講演会を催した。

◆ 東大仏教青年会に属した孫の前川喜平氏

喜作氏の孫である前川喜平氏は、東大時代は仏教青年会に所属し、中村元の著作に親しみ禅仏教に傾倒した。

周知のように、前川喜平氏は家業を継がず、教育畑の行政に携わり文科事務次官として退職した。

退職を前にして前川氏は、部下たちへ「特に、弱い立場、つらい境遇にある人たちに手を差し伸べることは、行政官の第一の使命」であると最後の訓示を与えた。

社会的地位の高い者ほど、社会からの大きな恩恵に感謝し、もっとも光りの当たらない所に光りを与えるべきだという理想は、脈々と受け継がれていた。

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