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*【提言】「安倍や菅は韓国に対して植民地総督のような尊大さで振る舞っている」

… そんな傲慢な外交は間違っている。

韓国の最高裁が新日鉄住金に元徴用工への賠償命令を出した。

「日韓基本条約で終わったことをまた蒸し返すのか」と日本の世論は激昂した。

しかし、これは安倍官邸が韓国を陥れるために仕掛けた謀略なのである。

新日鉄住金は、実は2012年に被害者である元徴用工と和解し賠償金を支払うつもりだったのですが、安倍政権はわざと和解をさせず、韓国の最高裁から日本に対する強い反応を引き出し、「韓国は国際法を守らない卑劣な国」として〈悪魔化〉し、卑劣な近隣諸国と「毅然と戦う」ヒーローとして自分を演出するためのワナだったである。

◆ 韓国を〈悪魔化〉する安倍政権のトリック

安倍首相はまた、いわゆる〝日韓合意〟に関する「不可逆的」という言葉をめぐりトリック(*注:下掲載の『現代思想』に掲載されて金福子論文を参照)を用いている。

韓国政府は、これまで日本政府が何度も反省や謝罪を口にしながら、その都度閣僚たちがそれを反古にして来た経緯を踏まえ、「もうそういう後戻りは困りますよ」と念を押すために「不可逆的」(irreversible)という言葉を使ったのに、安倍首相は、「交渉はこれで終わりだ。10億円やったのだから、後ででゴチャゴチャ言うな」という悪意ある意味づけを付与し、しかも犠牲者が存命なのに、対応を韓国政府に押しつけ、外相も駐韓大使も「ナヌムの家」に送らなかった。

◆ 吉岡弘毅 – 高官の地位を捨て国の誤りを正そうとした真の愛国者

外務権少丞として明治初期の日朝交渉に当たり、征韓論に反対した。

1875年に、福沢諭吉は、朝鮮は「小野蛮国」で、「仮に我属国と為るも之を悦ぶに足らず」とし、『時事小言』の翌年の「朝鮮の交際を論ず」で、「朝鮮国 … 未開ならば之を誘うて之を導く可し、彼の人民果して頑陋ならば … 武力を用ひても其進歩を助けん」と述べています。つまり、「文明」に誘導という名目で、武力による侵略か合理化されている。

福沢は自由民権派から「法螺を福沢、嘘を諭吉」と侮られ、元外務省勤務の吉岡弘毅は、福沢のアジア侵略路線は「我日本帝國ヲシテ強盗國二変ゼシメント謀ル」道のりであり、「不可救ノ災禍ヲ将来二遺サン事必セリ」ときびしく批判した。

◆ 真の〈賢者〉は権力者におべっかは使わない

征韓論者たちが「朝鮮の対応は無礼だから武力に訴えてでも開国させよ」としたことをこう論難した。

「朝鮮政府は少しも無礼ではない。無礼なのはむしろ日本の方だ。朝鮮人は無礼なのではなく、日本人を恐れているのだ。朝鮮人には、かつて秀吉に国土を蹂躙された記憶が代々伝わっている。現在は、対馬と釜山に限られている外交の窓口をやみくもに広げ、朝鮮半島にまた日本人が入って来れば、日本人は何をしでかすかわからないと恐れているのだ。だからもこれまでの日朝の歴史を振り返り、相手の立場に立って誠意をもって対応すれば、必ず朝鮮人は日本人に心を開いてくれる。反対に武力に訴えたりすれば、それは秀吉がやったことをまた繰り返すことになり、百年消えぬ恨みを残すだけで、われわれは何も得ることがないだろう」

福沢と吉岡のどちらの意見が正しかったかは、歴史が教えるところだ。

愚か者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。

安倍/菅政権の閣僚にもブレーンにも、卑しい茶坊主はいても、命がけで政道の誤りを正す諫言をする真の愛国者は一人もいない。

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