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*【#社会】「神に従う者と背く者 -- 安倍元首相暗殺事件は時代の大きな転換点」

… ちょうどその3年前に兇弾に倒れた中村哲氏に関しては、今日でも内外の称賛が止まず、伝記や映画化の話題で持ちきりである。

安倍政権の軍拡方針に批判的だった中村医師の生き方は、しばしば田中正造や杉原千畝と比較されるキリスト者としての愚直な生き方と比較され、アベノミクスが推進して来た新自由主義的な構造改革の計算高い経済合理主義にうんざりして来た人々の共感を得た。

彼らは、医師、国会議員そして外交官と日本社会のエリートでありながら、蓄財や立身出生ではなく、目の前で「助けて下さい」と手を合わせる窮民を助けることを選んだ。

そして彼らは、あるいは貧窮に没し、あるいは兇弾に倒れた。

◆ 天、共にあり

しかし晩年の苦労ずくめだった人生を振り返り、田中正造は、こう歌っている。

「世をいといそしりをいみて何かせん身をすてゝこそたのしかりけれ」

「世間の誹謗中傷を恐れてどうなるというのか、利害損得を超越してこそ人生は楽しいものだ」という意味だ。

晩年の杉原千畝は、私は「外交官としてではなく人間として当然の正しい決断をした」と述べた。

田中正造、杉原千畝そして中村哲医師は、神と富という二つの選択肢を前に、迷うことなく神を選んだのである。

その人生は茨の道だったが、三人は人生に満足して天に召されたに違いない。



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