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*【小説・風雲永田町】「地雷を踏む〝令和おじさん〟-- 敵は本能寺にあり」

… 佐川クンの時代はまだ〝ヒラメ〟官僚が幅を利かせていた。

野党には東大卒や元官僚は珍しくないので、霞が関は野党の元同僚と安倍、麻生がやり合って「政治家たちが勝てるはずがない」と思っていた。

そこで、文書は廃棄したり改ざんしたりして、問題を解決するのではなく「問題がなったことにする」戦術に出た。官房長官時代の菅が「問題ない」を連発したのはそのためだ。

◆ 赤木さんの自殺から霞が関の雰囲気が変わった

〝汚れ役〟を押しつけられ不祥事が発覚すると、結局政治家はトンズラし、官僚たちに責任が押しつけられ、定年後の穏やかな生活もマスコミにもみくちゃにされ破綻する。

永田町のあまりに汚いやり口に嫌気がさした霞が関は、本気で菅政権を潰そうとしているように思われる。

官僚たちの権力の源泉は〈文書〉である。だから、実際はそう簡単に文書を破棄したり改ざんしたりするわけがない。発覚したら、処分されるか自殺するしか選択肢がないからだ。

「日本学術会議」問題にしても、霞が関はこれまでの閣僚発言と矛盾していることなど百も承知だ。そして、他方財界が〈原発〉にかわる儲け口として武器輸出を要求していることを知っており、そのために「軍事研究」が議題に上ることも知っている。

◆ 半沢直樹的〈倍返し〉の好機到来

このアポリアに霞が関は驚喜したに違いない。

ついに、これまで内閣人事局によって頭を押さえつけられてきた霞が関の官僚たちに半沢直樹的〈倍返し〉の好機が到来したからだ。

表向きは財界の御機嫌をとり、その場その場を乗り切るペーパーを渡して菅総理の歓心を得れば良い。

頭の弱い〝財界の傀儡〟たる菅総理は、そこに地雷がバラ撒かれていることに気づかない。

総理からは「よくやってくれた。良いペーパーだ」と褒められる。

官僚たちは、内心チラッと赤い舌を出しながら、「とんでもございません。恐縮でございます」と恭順と装う。

しかし、付け焼き刃を研ぎ澄ませばするほど、菅総理と過去の自民党要路の発言との【矛盾】が広がって行く。

官僚たちは思った。「この〈面従腹背〉で菅は潰せる。これからも匿名のリークをマスコミに長そう。いい気味だ。これまで俺たちをさんざんコケにしてきた報いだ」と。

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