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*「カトリック教会の女性のベールについて」

... これは聖書の中の聖堂で「女性は髪を隠すべき」という記述に拠っている。

古代世界は、社会制度が脆弱なので、性的逸脱によって共同体が崩壊するのを恐れたからである。

だから、ヨーロッパの教会では、重要な儀式の場合、女性たちは帽子を被る。

日本と韓国だけで白いベールを被るのである。

しかし、白いベールを被ると、レースで透けているために、かえって女性の髪の美しさを際立ててしまう、「誘惑的であることを退ける」という本来の役目と真逆な効果を与えてしまう。

これを定めたのは、パリ外国宣教会の司祭たちだが、やはり神父といってもフランス人なので、女性の美しさに鋭敏な感覚を持っていたのではないか?

◆ ベルナデット・スビルー -- 写真に映った最初の聖女

ここで面白いエピソードがある。

キリスト教最大の霊場に、ピレネー山脈のルルドがある。ここで発見された泉で多く不治の病が癒された。

私も時々飲むことがあるが、不思議なことに、5年経っても10経ってもまったく腐敗しないのである。

さて、「ルルドの乙女」ことベルナデット・スビルーを列聖する調査が始まった。普通は死後だが、これは存命中から始まった。

そこで、ひとつ問題が持ち上がった。

19世紀のフランスの女性たちは、コルセットで腹部を強く締め付け、クリノリンという鯨骨で作ったペチコートを広げスカートの美しさを競った。

パリの流行は、スペイン国境の辺境たるルルドにも伝わり、富裕層のお嬢さんたちが早速パリジェンヌの真似をした。

娘時代のベルナデットもそれが羨ましかったが、極貧家庭ではとても高価なクリノリンなど変えるはずがなかった。

そこでベルナデットは、スカートの臀部に木片を入れてクリノリンを真似たのである。

「聖女にふさわしくない」という司祭からのクレームがあった。

しかし、世界の流行発信基地であるフランスの女の子がおしゃれにまったく関心がなかったらその方が不自然で不健康だということでうやむやになった。

司祭たちは、やはり神父とはいってもフランス人なので、女性たちの美への強い関心には理解があったのである。

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