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犬と猫の認知症について

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犬猫の長寿化に伴いここ数年、認知症の症状で悩まされる飼い主様からの相談もかなり増えています。 そんな中、先日私が勉強したオンラインセミナーで「犬猫の認知症」についてのアップデー…
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犬と猫の認知症について①

獣医師ゴリです! これまで約5か月間かけてお話ししてきました下痢の話がひと段落しました。 今回より新しいトピックとして 犬と猫の認知症 についてのお話をしていきたいと思っています。 一昔前より犬、猫ともに確実に長生きになってきました。 動物病院で働いている私の感覚としては 犬では16,17歳まで長生きする子も増え、それ以上長生きする子も増えてきた 猫では以前より20歳を超えてもなお元気な子が増えてきた 印象があります。 現在犬は高齢になると「がん」や「心臓

犬と猫の認知症について②

獣医師ゴリです。 それでは今回より犬と猫の認知症についてお話ししていきたいと思います。 前回の記事はこちらへ↓ 犬と猫の認知症とは 高齢性認知機能不全 とも呼ばれていますが、明確な定義は確立されていません。 実際の診療においては 犬や猫の高齢化に伴い、認知機能が徐々に低下していき、その結果複数の特徴的な行動異常が出てくることを 私たち獣医師は 認知症 と呼んでご家族に説明をしています。 そのためどこからが認知症で、 どこまでが認知症ではないか という

犬と猫の認知症について③

獣医師ゴリです。 前回は認知症の可能性がある具体的な症状についてお話ししました。↓ 今回は、認知症の発生年齢についてお話ししたいと思います。 セミナーの中では以下のようなデータが示されていました。↓ <発症年齢> 犬 ・11~12歳の犬の約28% ・15~16歳の犬の68% が1つ以上の認知低下の徴候を示す。 猫 ・11~14歳の猫の約30% ・15歳以上の猫の約50% 少し話が脱線しますが、 私が獣医師になりたての頃、 認知症は柴犬などの日本犬が多い と言われ

犬と猫の認知症について④

獣医師ゴリです。 前回は認知症の発生年齢についてお話ししました。↓ 今回は、犬の認知症の具体的な症状についてお話ししたいと思います。 セミナーの中では以下のようなデータが示されていました。↓ DISHAAの徴候1.見当識障害(Disorientation) 2.相互反応変化(Interaction Changes) 3.睡眠あるいは行動の変化(Sleep or Activity Changes) 4.トイレトレーニングを忘れる(Housetraining is