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鯨尺、そして曲尺(かねじゃく)

未だに尺の話題で恐縮なんですが、もう少し説明しておこうと思います。というのも、和裁で使う「尺」は「鯨尺」と言いまして、一寸が約3.6㎝なんですが、世の中には別の「尺」があるのです。

大工さんなどが使うという「曲尺/矩尺」
鍼灸師さんなどが使う「尺」

全部尺なんですが、長さの基準が一致しません。もう、この辺は本気でメンドクサイ。私も自分が使っている佐古先生から教わった鯨尺以外は、正直あまり良く分からないです。写真にある古いメジャーテープの目盛り、祖母の和裁道具の中から出てきたのに、なんで一寸の長さが鯨尺の竹物差しと違うの?本当に訳がわかりません。

こんなに長さの計測法が複雑なのは日本だけかと思ってたのですが、そうでもなかった。カナダはメートル法の筈なんですが、何故か身長はフィートとインチで表記する人が多い。これをヤード法と言う?らしいのだけど、カナダで布生地を買う時にはこれを使う。しかも12インチが1フィート、3フィートが1ヤードになるらしい。

つまり カナダの人が和裁をしようと思うと「ヤードからメートルの換算、そしてメートルから鯨尺に換算、又はその逆」というどうしようもない作業が発生するんですね。何とかならんか、何ともならんね、です。

因みになぜ「鯨尺」なのかと言うと、諸説あるみたいです。私が1番好きな説は、昔鯨の骨を物差しとして使う習慣があったから、ですが本当のところはわかりません。

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