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北米獣医師免許試験・備忘録89、疲労と迷い


ドクターディジが、カンパニーディナー撮ってくれた写真には、パートナーと私が笑って写っている。素直に嬉しい。でも、そんな事を考えていた翌日にはグレッグと諍いを起こした。

彼から、新年に、高校時代からの友人が彼女とノバスコシアに行くので一緒に行ってくると言われて。ノバスコシアは彼が幼少時代を過ごした土地で、幾ばくかの親類と友人がまだ居るらしい。もう10年以上訪ねてないからそのうち行きたいとは口にしていた。なので彼が行くことは半分は納得したのだけれど、思わず「なぜ彼女である筈の私じゃなくて親友(とその彼女)?!」という、要するにやっかみが湧いてくるのは押さえきれなかった。

カナダに来る前は好き勝手に飛び歩いていたので、特にそんなに羨ましがることもないだろうというのは理屈で、感情は別のところにある。で、嫌味を言ったら当然の如く喧嘩になったと。それで自分が随分と消耗していることに気が付いた。

もういっそ獣医の試験なんぞ落ちてくれとも一瞬思った。そうしたら諦めもつくんじゃないか。このNAVLE対策を来年もする気には更々なれない。NAVLEの後には獣医看護士資格試験がやってくる。資格取得という点では、おそらくこちらの方が早くに手に出来る確率が高い。もうそれでいいんじゃないの?という囁きもある。NAVLEを通過したところで、何だかんだ言ってまだ試験は3つある。それらに係る費用と時間はどうするんだとか、それにかまけている間に私生活はどうなるのかとか。

動物病院が閉まる時間に合わせ、ドクターケイトに会いに下に行った。ついでにジュリアと世間話をする。「結果がどうあれ、来年もう一度受ける気になれないの。なるようにしかならないし」と口に出して弱音を吐いたら楽になった。彼女は「Yufukoは大丈夫。でも気持ちはわかる」と励まされた。ドクターケイトと一緒に私が正解を導き出せなかった模擬問題をやってもらって、彼女の頭の回転の速さに舌を巻く。でも、まあ、そんな風に一緒に問題を確認できる程度には上達した英語力については自分を褒めたい。試験を終えて地団太を踏むならそれでもいい。全部投げ出すならそれもいい。その時が、今では決してないだけの話。

試験まで、あと4日。

過去の自分、色々と考えてますけど、今にして思うと「ちょっと!気がついて!! ロクでも無い奴じゃない、さっさと別れなよ!」と思います…。このすぐ後に、彼から関係解消を申し込まれたのですが、まあ妥当ですね。一緒に居る意味無いですから。

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