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和裁の先生

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着物と和裁、そして和裁の先生との思い出を軸にした懐古録
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記事一覧

針の種類、糸の種類

「あのね、手をちょっと見せてもらえる?…あら、私とあんまり変わらないわ、じゃあ同じ『しの…

着物は八枚の長方形の布

着物の型紙がシンプルという話は前回したのですが、具体的にどれぐらいシンプルかと言うと…女…

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着物の型紙

一般的な女性の着物の型紙(パターン)は、基本形が一つ。それを着る人の身長や体型に合わせて…

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「着物」の定義

着物って、お正月や結婚式、あと成人式なんかでよく見る、派手なアレでしょ。帯締めるやつ。あ…

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運針(うんしん)

「あのね、運針って知ってる?」 「ええと、祖母が縫っているのを見たことはあります。こんな…

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鯨尺、そして曲尺(かねじゃく)

未だに尺の話題で恐縮なんですが、もう少し説明しておこうと思います。というのも、和裁で使う…

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鯨尺(くじら じゃく)

前回から度々出てきている「尺(しゃく)」なんですが。 尺は昔の物差しに使われるもので、和裁を習い始めた頃、私は全く使う気なんかなかった。というか、それが何なのか知らなかった。 現在使われているのはメートル法で、日本での導入は 1885年(明治18年)らしい。1921年(大正10年)に、この尺を含めた昔の測定法は禁止されている。つまり現在では使用禁止令が出て100年以上経つ訳だ。 ところが、和裁はこの古い物差しを今でも使う。 佐古先生も使っていた。けらけらと笑ながら、政

和裁教室、最初の課題

古い反物の幅が狭かったり、丈が短かったとすることがよくあるなんて知らなかった。 つる屋さ…

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綿反とつる屋さん

「綿反で単の女長着を縫う」 和裁教室、最初の課題が決まったのはいいけど、綿反が何かわから…

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姉の浴衣と死装束

「あら、お姉さん死んじゃってるわよ〜」 私が縫ってきた浴衣を見た佐古先生は、冗談めかして…

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佐古先生

つる屋さんが連絡先を見つけるのに数週間を要した。連絡先を渡された私が電話をするのに更に数…

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つる屋さん

暇な田舎でする縫物はするすると進み、安価な生地を買ってゆかたを縫ってみるくらいには経験を…

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やさしい和裁

着付けにも慣れてきて、少しづつ自信がついた私は次の着物を買おうか迷い始めていた。 当時、…

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呉服屋さん怖い

意を決して向かったはいいけど、呉服屋さんの敷居は高い。デパートの上の方にあるし。滅茶苦茶高いお値段のついた着物がウインドウに飾ってあるし。他の洋服屋と違って、なんか反物だし。何で布が売られているの、お仕立てって何者? いや、私はお客。お目当ての品と予算をお店の人に伝えて、選ぶのを手伝ってもらえばいいんだから!と自分を励ましつつ、店の前にあるお値打ち品を眺めていたら、案の定店員さんが声をかけてきてくれた。 「何かお探しですか?」と年配の女性に尋ねられ、一気に言葉を繰り出した