見出し画像

自由研究のヒント

うさぎの歯はなぜ一生伸び続けるの?

→硬い植物繊維(セルロース)を食べると歯がすり減ってしまうから。

ーーーーーーーーーーーーーーー
うさぎは硬い植物を毎日大量に食べ、盲腸の微生物にエネルギーを作らせすことで栄養を摂っています。植物の繊維、セルロースは植物の体を支える硬い組織です。この植物を毎日大量に摂取するには、歯が非常に重要です。
実はウサギや馬やモルモットの歯は硬い植物を食べ続けることができるように、常生歯(じょうせいし)といって一生歯が伸び続ける構造になっています。

やらかいごはんを与えられている環境でも歯は伸び続けるので、過剰に伸びたり噛み合わせが悪いと尖った歯が口の中を傷つけて潰瘍を作ることがあります。人間で言うと歯があたることで大きな口内炎が常にある状態で、とても痛いです。伸びた歯が当たって潰瘍があるうさぎは食欲も落ち、消化管の動きもそれに続いて悪くなってしまいます。

硬い草を食べていれば歯はすり減っていくので過剰な伸びを抑えることができます。

ペットとして飼われているうさぎのごはんにはペレットや牧草などがありますが、私個人としては歯が伸びすぎて口腔内に当たって潰瘍を作らないために、メインのごはんには牧草を常に食べられるくらい与えることをおすすめしていました。お野菜も水分を取れるのでおすすめです。

ペレットや果物などは大好きな子が多いのですが、歯を削る効果を期待するのには柔らかく炭水化物や果糖が多いので、少量与える程度にしておくこともおすすめしていました。

参考:奥田綾子 (2002)”ウサギの臨床検査とX線検査
” 動物臨床医学 11(1)39-43、

犬や猫、ウサギの獣医師です。色々と勉強中の身ですが、少しでも私の経験や知識を飼い主さんや動物に還元していきたいと思います。