みなとまちアニマルクリニック

静岡市清水区にある動物病院です。 当院のホームページに毎日更新されるブログをそっくりそ…

みなとまちアニマルクリニック

静岡市清水区にある動物病院です。 当院のホームページに毎日更新されるブログをそっくりそのままコピペしてこちらにも載せておきたいと思います。 動物病院の院長が日々の思いをそのまま書いております。 ご興味のある方は覗いてみてください。

最近の記事

CKD-MBD〜慢性腎臓病による骨ミネラル代謝異常〜

日参加させていただいた大阪での学会、動臨研でありますが 学会最後に聞いた講演が 大阪の松原動物病院で勤務されている佐藤先生の講演でした。 テーマは、『骨ミネラル代謝異常』です。 今回の学会に参加した目的の3分の1ぐらいはこの話を聴きに行くためでもあったので 疲れが出てくる最終日の最後のコマではありますが 頑張って聞いてまいりました。 犬さんも猫さんも 慢性腎臓病に罹患した場合 この骨ミネラル代謝異常という病態の管理は非常に大切になってきます。 本気で興味の

    • 悪の陳腐さ

      ナチスドイツのシステム構築と運営に主導的な役割を果たしたアドルフ・アイヒマンは 1960年にエルサレムで裁判を受け、処刑されました。 この時、連行されたアイヒマンの風貌を見て関係者は大きなショックを受けたそうです。 それは、あまりにも彼の風貌が『普通の人』だったからです。 その裁判を傍聴していた哲学者のハンナ・アーレントは、その模様を本にまとめ その本の副題を『悪の陳腐さについての報告』とつけています。 悪というものは善と対をなす概念であり 正の要素が一定以上に

      • 思考停止

        東洋医学しか信用しない人、東洋医学に縋りたくなる人というのは 思考停止に近い状態なんじゃないか、という考察がありました。 東洋医学という分野が確立されている以上 きちんと勉強して活用すれば一定の効果が得られるのでしょうし 西洋医学と東洋医学を組み合わせることで、より良い治療成績が期待できる分野も多いとは思います。 ですが、すべての病気に対して東洋医学だけで立ち向かえるとは到底思えません。 これだけ西洋医学が発展した世界の中で生きていて 東洋医学が全てだという考え

        • 膵炎に対する食事療法

          学術的なことに触れないと さすがにそろそろ怒られそうなので、今日は真面目に病気のことについてでも書いていきます。 今月号のCLINIC NOTEより 『犬と猫の膵炎に対する食事療法』ついて抜粋して簡単に記載したいと思います。 興味のある方はぜひ読んでみてください。 膵炎の内科管理において重要な三つの項目として ①膵酵素の分泌を減少させることによる膵臓自己消化の抑制 ②膵臓組織の適切な灌流維持や回復 ③電解質及び酸塩基平衡の以上の是正 が挙げられますが、これら

          予定説とアンダーマイニング効果

          フランスの神学者ジャン・カルヴァンによって提唱された予定説という考え方は 簡単に言うと、神様が救済の手を差し伸べてくれるかどうかはあらかじめ決まっていますよ、という考え方す。 善い行いを積めば、神様が助けてくれるとか そういうのは関係なく、助けられるかどうかは最初から決まっているんですよ、ということです。 いや、そういう風に言っちゃてもいいの?って感じですし 実際に予定説を認めているキリスト教諸派は少数みたいですが 結構面白い考え方だなと僕は思います。 人間は、

          予定説とアンダーマイニング効果

          人は論理では動かない

          どんだけ論理的に構築された内容であったとしても どれだけ理屈が通っていたとしても 人は論理だけでは動きません。 説得よりも納得。 納得よりも共感を。 動物医療は 患者様と動物病院、どちらか一方のみで行えるものではありません。 相互に協力し合うことで、きちんとした動物医療というものが成されるものだと思います。 どれだけ考えに考え抜いて薬を処方したとして その薬をきちんと犬さん・猫さんに飲ませることができなければ効果は期待できません。 飼い主様がどれだけ積極的

          アナクシマンドロス

          古代ギリシャの哲学者アナクシマンドロスは 『地球は宙に浮いているんじゃないか?』という結論を導き出したわけた人なのですが これだけを切り取って現代の人が聞くと いや、当たり前でしょ?となると思うんですね。 ただ、紀元前600年とかの時代に その考えに至るということがすごいことなわけです。 当時は、大地というものは水に支えられているという考え方が主流でありました。 彼はその考え方を否定して 大地が水に支えられているのであれば、その水は何に支えられているのか?

          蟻塚の蟻から学ぶこと

          蟻塚には7割の働き蟻と3割の働かないサボり蟻がいるとされています。 この蟻塚から7割の働き蟻だけを残してみると この働き蟻の中から再びサボり蟻が出てきて またこの7:3という比率に戻るという現象があります。 この蟻塚の話は昔から知られていましたが、なぜそうなるかは最近までわかりませんでした。 これを解明してくれたのがコンピューター・シミュレーションによる研究で 全ての蟻が働き蟻である蟻塚と、7割働き蟻・3割サボり蟻からなる蟻塚とを比較した場合 生存確率は後者の方

          老衰死とは何か?

          本日、当院の駐車場で 名前も知らない方からたまたま質問をされました。 『21歳の猫が一週間前から急に痩せてきてしまったんですが 何かできることはありますか?』 というご質問でした。 この問いに対する僕の回答は 痩せてきてしまった原因を検査して、それに対する治療を検討することができます、という回答です。 そうすると、その方は 『色々とするのは可哀想ではないですか?』とおっしゃっていました。 おそらく、21歳という歳だからもう老衰に近いし 何かするのは可哀想だ

          無麻酔歯石とりについて

          当院は、絶対に無麻酔で歯石を取るという行為を行う予定はありませんし ここを読んでくださっている方は おそらくほとんどの方が無麻酔歯石取りには反対していただけるとは思いますので 今さらここで無麻酔で歯石を取ることの危険性やデメリットを書いても仕方ないとは思います。 ですが、先日無麻酔で歯石除去をサロンさんかどこかでされて その後からマズルのところがパンパンに腫れ上がって来院された子がいらっしゃいました。 歯周病による歯の周囲の炎症が鼻の方まで波及してしまったのだと思

          健康診断時の便検査は必要なのか?

          最近は、健康診断をご希望される飼い主様がものすごく増えてきております。 確かに、動物は人間と比べて歳を取るスピードが早いですし 外から見ているだけでは、なかなかその異常に気づくことはできません。 そういった病気の早期発見・早期治療のためにも健康診断というものは非常に重要な位置付けとなっており 当院でも他の動物病院さんと同様に、健康診断を推奨しているわけです。 で、どんな項目をどのくらいの頻度で検査しようか?というのは その動物病院さんによって異なる物かと思いますし

          健康診断時の便検査は必要なのか?