月刊Synthwave生活 2021年1月号

このシリーズでは、だいたい月1を目標にSynthwave、Outrun、Darksynth等の作品のレビューと言うか紹介をしていきます。
いつもいつもゲームをやる時間が無いということをここに書いてきましたが、Cyberpunk 2077は腹をくくって買いました。まあでもまだあんまりプレイしてないです。なかなか不具合が多いとか評判がよろしくないんですが、私はまだ1回しか進行不能バグに当たってないので、まだ序盤なんだろうと思います。このペースではクリアするのに何年かかるか分からない。ゲームの音楽面については、まあDarksynthというかほぼEBMな曲が多いかもしれないという印象です。特に戦闘シーン。ポップな感じのSynthwaveはあまり無さそう。全くないわけではないけど。あとは普通のR&Bとかヒップホップみたいなのが聞こえてきます。

Com Truise - In Decay, Too

Com Truiseのレアトラック集第2弾。第1弾は2012年にリリースされたIn Decayなので8年ぶりということ。Synthwaveの世界で8年というと結構な年月な気もする。しかし音の方は、どこをどう取っても完全にCom Truiseの音としか言いようがない、最初から完成されていてずっと同じ質感を保っているあの音そのものである。系統としてはChillsynthの質感に近いかもしれないが、どちらかというとCom Truiseは10年近く前からこの作風なので、Chillsynthに影響を与えている側と言った方が正しいだろう。

Sebastian Gampl - Master Switch

疾走感のある高速AOR系Synthwaveで非常に格好いい。これは割とありそうでない作風なのでこの路線は是非続けてもらいたい。「Resurrection」はケニー・ロギンスの「I'm Free」を思い起こさせる。

A.L.I.S.O.N - Éternité

Chillsynthのど真ん中を突き進むA.L.I.S.O.Nのフルアルバム。本当にこのジャンルは、ChillとSynthという二つの単語だけでその音楽性のほぼ全てを言い表しているので良い。

Mitch Murder - Artifact

Mitch Murderの3曲入りEP。どうもCyberpunk2077にいくつか曲を提供したらしいが、その時のボツ曲でゲームには入らなかったこの3曲を自前でリリースした模様。まああのゲーム用に作られた曲なので、ゴリゴリのEBM系Darksynth路線だ。いつものポップで都会的なMitch Murderとはまた違う表情を見せる。FMシンセベースの音がめっちゃ良い。Darksynthとしてのゴリゴリ感を出しつつ、クリアーで透明感のある気持ちよさもちゃんと聴かせてくれる。やはりベテランだし昔のゲーム音楽にも造詣の深そうな人だからだろう。あとゲーム本編で使われた曲については、現在あんまり情報がないのでどの曲か分からない・・・。多分ラジオの曲ではなくて戦闘中とかのBGMかという気はする。

Sunglasses Kid - Sophomore

80年代のブラック・コンテンポラリー的なSynthwave。(といってもブラコンはよく知らないので想像で言っています。)それっぽい雰囲気というのではなく、かなり完成度は高く、本物よりも本物らしい80年代サウンド。本当に都会的でバブリーで、今すぐに肩パットの入った服を着て踊りだしたくなるような一枚。Synthwave界ではおなじみの面々がたくさんゲスト参加している。

Sellorekt/LA Dreams - Sparks

Synthwave界随一の多作として知られるSellorekt/LA Dreamsの2020年の最後の作品。2020年だけでEPも入れると6枚ほど出しているのか・・・・。この作品も「Sellorektと言えばあの感じ」と思い浮かべるような爽やかなノスタルジアを持ったポップなSynthwave。この人の作るシンセの音色は本当にSynthwaveとして完璧に正しい音ばかりだ。まさに職人芸。曲が展開しそうで、でも思ったほど展開しないでループするというSynthwaveにありがちな構成も、なんだかんだで割と中毒感がある。

Future City Records - CYBER SYNTH 2077

このタイトル。そしてこのロゴと背景の黄色。なのにCyberpunk 2077との関係は特にどこにも触れられていないという、要するにあやかって乗っかってみただけの商魂たくましいコンピレーションと思われる。名前とロゴが似てるだけです。なかなかすがすがしいものを感じる。内容の方は、まあもちろんCyberpunkな雰囲気のDarksynthが中心のコンピレーション。参加アーティストは知らない名前ばかりだが、特に完成度が低いわけでもない。26曲も入っているので圧巻。