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絵を見せると決めた理由を話してみる

土曜日になりました。


この2,3日は絵を描いています。
ずっと描いてはいましたが、より力を入れている気がします。



ところで、noteには絵を描く方が、私が知っている中にも幾人かいて、絵を描かなくても絵にかかわるお仕事をしていたり、これから絵を描きたい、って思っている方がいたりして、楽しい。彼らともっと交流したいなって思う。会って、ゆっくりお話がしてみたいなって。


絵について思うこと、向かう姿勢や乗り越えられない壁、最近乗り越えた壁、売ること、売らないこと等など。


私は長い間、絵を人に見せないで描いてきました。これからもずーっと見せないままなのかなって思っていたんだけど、不思議とnoteを始めてから「見せたい!」とまではいかなくても「何かいい方法はないかなあ」とぼーっと考えるようになりました。


特に、大賞やコンテストに出して文章を読んでもらえる環境に自分から飛び込むことをしてからは、壁がぐんと低くなって気がします。だからこの2年間は絵を見せたいかもしれない、と思いながら過ごしてきました。とはいっても場所を選ぶ必要があるな、というのが悩みの種です。


というのは、私はいわゆるギャラリーみたいなところで自分の絵を飾るということがあまり前向きに考えられないのです。今の時点では、なので、今後はあるかもしれないけど、今のところは何か別の方法がいいなあって思っています。


一番、理想的なのは自分の家に人を呼んで絵を見せること。つまりアトリエ開放です。自分の絵は動かさなくて、みんなに来てもらう。普段、その絵たちがいる環境の中に飛び込んでもらうというのが一番しっくりきます。


あるいは、近所の公園などに広げてみてもらうこと。これもいいなって思います。壁に飾るのではなく地面に置かれている絵というのはなかなか違う楽しみ方ができるんです。


動物で例えるとちょっとわかりやすいかな、と思ってするのですが。
みなさんは動物を見たい、と思った時に動物園に行きますね。それが、絵でいう「美術館」とか「ギャラリー」に近いかもって思います。出会う場所っていうのかな。動物も自然から移動してきたし、人間もわざわざ出向いてきた。だから、その場所は両者にとって知らない場所であり、用意された場所なのです。


でも中には、山の中に入ったり、アイルランドの牧草地に赴いたりして、そこにいる状態の動物、野生だったり、家畜だったりを見たいというひともいるはずです。自然のなかを自分たちの決まりを守ってうろうろしている動物たちは動物園にいる動物たちとはまた違って見えると思います。


どちらがいい、悪い、の話はしていなくて、単に違うということです。


私は、残念ながら美術館やギャラリーで楽しめたことがないんです(それは私のせいです、楽しみ方がまだわからない)。働いている方や広報の方には申し訳ないけど、行くといつもがっかりして疲れてしまう。それは、雑音だったり人の気配だったり、計算しつくされた建築だったり、空間づくりだったり。それらがいつも絵と私の間にフィルムのようにうっすらあるように感じます。


見ながらぐったり、もう後半はいいや、といって見もしないでルートを通って帰ってくることがほとんどです。お土産やさんも楽しめたことがなくて。それは都会の大きな場所でも田舎の小さな場所でも同じで、天井からライトで照らされたそれらを見るとなんとなく


これらがアトリエにある状態で見たかったなあ


なんて思ってしまう。もちろんそんな贅沢なことはかなわなくて、画家がもういないことがほとんどですから、しょうがないことです。


もし、私の絵を見たいと思ってくれる人がいるなら、北海道に引っ越して人が自由に呼べるようになったところでやろうと思います。1階のリビング部分をすべてアトリエにする予定なので、入ったらすぐに絵が見れる、私の生活も見れるということです。絵を描く人というのは隠れて描いているようで、本当はすべて開示しないといけない生き物だと思います。ジム・キャリーの『トゥルーマンショー』みたいに。


偉そうなことをいっぱい書きましたが、これからも描き続けていくと思います。自分なりの理論を立ててみて、壊して、また懲りもせず、という感じ。でもやっぱり、絵は理論ではなく感覚なので、それが一番前に来ることがいいかなって思います。


絵は楽しいです。部屋を閉め切って描いて暑くないの?と言われますが、一度も暑いと思ったことがないです。たぶんアドレナリンが出てて、気づかないんだと思う。締め切って描いた方が私はうまくいきます。耳栓をすることもあります。


音に敏感、よりも殻の中にいる感覚を持っているほうがうまくいくことが多いです。殻、というよりは繭かな。


話を戻すと。
8月14日にブックカフェのイベントをするのだけど、そこで数枚ですがお見せしたいと思っています。あまり個展!という感じにはせずに、本を楽しむ合間に「こりゃなんでしょう」というかんじで立ち寄れるようにします。よかったら、見てみてくださいね。



絵は北海道に持っていけないから、向こうでまた新たに描き始める予定です。新しい空間で、自分からどんな感覚が出てくるのかを楽しみにしています。


今回、絵をお見せすると決めた理由は、ほんとうになんとなく、です。こんなことを言ったら意識が低い、と言われてしまうかもしれないけど、私にとって決断は大体そんな感じです。


走りながら武器を拾うタイプ、と言われて以来、個展をするために(人に見せるために)描くのは余計におかしいように思いました。それよりも、まずは走り出して、とりあえず完成して、なにも完成しないまま人に見せるという方が私っぽいのかもしれないな、なんて思った次第なんです。



ところで、自分で山の中に入っていってカメラをいたるところに設置し、野生の動物を自動シャッターで撮るフォトグラファーがいます。有名雑誌にのせることもあり、写真集を作ることもあり、なんとか賞というすごいのをもらうような人です。


その人は、いいな、と思えたら雑誌社にその写真を売るそうですが、すごく気に入った場合は自分で見てすぐ捨ててしまうそうです。誰にも見せたくない、自分にすらも見せない。自分の頭の中でイメージになっていくまで、育てるというか、なんというか。


変なことを考えるなー、とっととあげて金にしちゃえばいいのに、とも思うし、なんかすごくよくわかる気がする、と思うときもあるし。


そんな感じです。今日も暑そうです。

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