見出し画像

競馬PОG(ペーパーオーナーゲーム)の考え方


 これをお読みのお方はもうすでにご存じかもしれませんが、簡単に書きます。
PОG(ペーパーオーナーゲーム)というのは、デビュー前の馬を指名し、その馬の仮想の馬主として、その獲得賞金を競うというものです。野球が分かる人なら、ドラフト会議といえばイメージが浮かぶでしょうか。実際、野球のドラフトは期待して、活躍したとしても、嬉しいだけだったりとかだけしますが、PОGは架空とはいえ、ポイントで競うという側面があり、自分の見る目や考え方がしっかり数字として出る遊びとして、奥深いものだと思います。私は、PОGは、21-22シーズンから始めた初心者ですが、過去にタスティエーラを指名できたこともあります。架空とはいえ、思い入れができるのが、PОGの良いところです。
 自分の好きな馬を好きに選べればいいといえば、いいのですが、やはり勝つのが醍醐味です。面白いものも半減してしまいます。
 PОGには様々なルールがありますが、もう締め切ってしまっているものもあるので、デビュー前であれば指名することができるnetkeibaのPОGのルールを想定として書いておきます。
 初心者向け、あるいは自分の戒めとして、PОGにおける考え方をポイント別に書いていきます。参考になる競馬本なども紹介できたらと思います。おすすめの馬等を推奨することはしません、あくまで読者の判断の後押しになればいいと思っています。(気が向き次第、馬体、馬主編修正加筆予定)

・評判のいい馬を選ぶ

 走る前の馬がよいのか、悪いのか、なんか基本的にはわかりようはありません。そこで一番信用にたるのは、評判です。PОGには、シーズンごとに赤本、青本、黒本、黄本など、各出版社から、牧場や調教師など取材した内容が書いてあります。どの本を買えとはいいませんが、一読することをおすすめします。基本的には、ここで評判のいい馬というのは、仕上がり速く将来を期待されている馬ということになります。また、ここで注目すべきは最大手の牧場であるノーザンファームです。ノーザンファームは、いくつもの育成厩舎を抱えています。わからない人は、イメージでいえば、東大に行くための進学校みたいなものだと思ってください。ノーザン系から選ぶというのが一つ間違いない手の一つです。とはいえ、いくら評判が良くても、走らないというのが競馬の面白さです。

・名牝の仔・高額馬を選ばない

 説明するまでもないのかもしれませんが、名牝というのは重賞戦線で大活躍した牝馬のことです。高額馬というのは、オークションで高い評価を得て高額がついた馬を指します。大活躍した馬の子供や兄弟だから、高値がついた馬だから、走るに違いないと人は思いがち、期待しがちです。
 今年のPОGシーズンでも、アーモンドアイの初仔で、高額でクラブで一口が募集されたアロンズロッドの評判が高いです。断じて、アロンズロッドを否定しているわけではないのですが、過去のアーモンドアイ級の名牝で分かりやすい例でいえば、ブエナビスタやウォッカという例があります。彼女らの産駒は、母親の成績ではありませんでした。
 高額馬でいえば、ノーザンファームのセレクトセールで、歴代の高額取引馬にあたる馬のほとんどは、自身の値段以上の獲得賞金を得ていません。
 とはいえ、昨シーズン、高額取引で、話題になったダノンエアズロック、ホウオウプロサンゲ、シンエンペラーは、クラシック出走を果たしており、PОG期間内では活躍を見せているので、このトレンドも変わりつつあるのかもしれませんが。しかし、値段はあまり考えなくてもいいおまけみたいなファクターの一つです。

・厩舎から選ぶ

 現代競馬は、外厩施設の充実に伴い、調教師や厩舎が、その馬の全てを育成するという考え方ではないですが、厩舎の特色を踏まえておくのは悪い考えではないです。この辺は、初心者には難しいかもしれませんが、PОGで大事なのは、もっとも期間内で賞金の高い日本ダービーに出走、勝利でポイントを稼ぐという点です。ですから、さきほどの高額馬、名牝と違って、厩舎から選ぶことに関してはミーハーになってよいのです。
 例えば、友道康夫調教師は過去10年で、3回ダービーを制しています。そのことから分かるように、友道厩舎の特徴は、芝の中距離戦に強い点です。今年も管理馬のジャスティンミラノが、ダービー2着、皐月賞を制しています。リーディング下位の厩舎から、大物が出る可能性がありますが、そういう馬はそもそも取材などの情報が少なく、判断する材料がPОGでは用意されていません、ですから厩舎から馬を選ぶ場合、ミーハーになることは大事です。とはいえ、ジャスティンミラノは、PОG本では凄く評判の馬ではありませんでした。ここに醍醐味があります。
 私は過去に、タスティエーラを指名しましたが、タスティエーラも同様で凄く評判の良い馬ではありませんでした、なのに、指名できた理由は、その年の堀厩舎に入った新種牡馬のサトノクラウン産駒がタスティエーラのみだったからです。
 血統面などで厩舎ゆかりの血統で、預けられることは多いです、それはその馬の特徴や課題をもう即に把握しているということにつながります。全く厩舎に詳しくない方もいると思いますが、『レーダーチャート式厩舎名鑑 2022-2023 (競馬王馬券攻略本シリーズ)』は一読の価値があります。

・母の年齢から選ぶ

 母親の年齢から選ぶというファクターがあります。母馬というのは、競争生活がだいたい2-6歳ぐらいまでですから、8-10歳がピークということになります。高齢の母というのは悪くはなく活躍馬もいるのですが、活力という意味では、意識すべきです。
 また、母の初仔というのも人気が出やすい傾向、未知の魅力を人は感じがちです。しかし、初仔というのは一般的に小さく生まれがちです。馬体重が小さいというのが競争生活に与える影響は大きく、馬格≒パワーがない馬というのは、勝ち上がり率が低い傾向にあります。

・種牡馬と血統

 血統というファクターは正直細かすぎて、初心者のほとんどは、ミスタープロスペクターやロベルトという単語ですらおいて行かれると思います。ですから、踏まえてほしいのが現代の競馬の主流血統、エピファネイアやキズナといった馬の種牡馬の競争成績、母親の競争成績です。
 名牝は選ぶな、などと言いましたが、やはりある程度の競争成績を出した馬から、活躍馬が出ることは間違いがありません。GⅠ馬の兄弟でGⅠ級の活躍を期待すると痛い目に合うことは多いですが、繁殖牝馬として、ある程度の活躍は見込める安定感のある打率の高い牝馬がいることは間違いないと思います。
 例を出すなら、クロウキャニオン、コーステッド、サンプルエミューズ、チェッキーノなんかは、その手のタイプでしょう。
 種牡馬には短距離の血統もいますが、PОG期間内にあるレースの賞金を考えれば、スプリンターを選んでいる場合ではありません。やはり芝のマイラーから中距離馬を優先して選ぶ必要があります。
 また、母親やその産駒の兄弟の成績を挙げればキリがないのですが、晩成の血統、古馬になって成績を挙げたタイプを選ぶこともおすすめしません。
 種牡馬も同じで、モーリス産駒は、2歳時に期待される馬が多くでますが、実際に3歳時になっての成績はあまりよくありません。気性面でも難しい馬の印象があります。ただこうした傾向はあくまで傾向でしかなく、ハーツクライ産駒のように、世代進めば、配合相手も変わるので、早熟傾向にもなります。
 もう一つ意識してほしいのは、産駒の世代です。
 例えば、キタサンブラック産駒は、初年度産駒に、イクイノックス、第2世代からはソールオリエンスとPОG期間内に活躍馬が出ましたが、それらの活躍目にせずに付けられた第3世代、第4世代は種付け料も下がり、繁殖牝馬の質も下がっています。実際、PОGの昨シーズンは、第3世代が現3歳に当たる年でした。ダービーに出走した馬すらおらず、活躍した馬といえば、ダートでの活躍、東京ダービーの2着サトノエピックでした。またイクイノックスの活躍から、種付け料が上がった世代からは種牡馬傾向も分かった上になるので、さらなる大物が出るはずです。しかし、父のように晩成傾向があることも間違いありません。
 現世代でいえば、昨シーズンに活躍を見せ、レガレイラ、アーバンシックを排出したスワーヴリチャードは、今シーズン谷間の世代にあたります。昨シーズンのような活躍を期待していては痛い目にあうなんてこともあるかもしれませんが、既にミリオンローズが勝ち上がり見せており、どちらかというと一発の大物を出すタイプというより、平均的な打率が高い種牡馬傾向なのではないか、ということが想像できます。
 また、別の話ですが、こうした世代が分かれば、ニックスについても理解が進むと思います。
 ニックスとは、相性のいい配合系、成功例の多い血統のパターンのことです。有名なニックスには、ディープインパクトに母父ストームキャット、ステイゴールドに、母父メジロマックイーンなどがあります。実際に、どれだけいるか知りませんが、イクイノックスの活躍を見た世代に、配合系とした同じようにリファールのクロス、母父キングヘイローとの組み合わせる馬が出てくることでしょう。
 誰もまだ気づいていないニックスについて、研究するというのも一つの面白みですし、過去の名馬について知る機会にもなります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?