周庭は女神でもアイドルでもリーダーでもない
日本はどうしてこうも世界とズレるのか?
見ていると気恥ずかしくなる。
香港で10人が国安法違反容疑で一斉不当逮捕されたときに、周庭は海外メディアではその他大勢の一人の扱いで名前も顔も登場しない。海外主要メディアの記事の写真と見比べてほしい。
【CNN・香港特派員】
【ニューヨーク・タイムズ】
【ロイター通信】
海外主要メディアは中国当局に批判的で民主路線の香港新聞社アップルデイリー創設者 黎智英 氏 の逮捕に焦点を最初から絞っていた。Twitterのトレンドにあがるは #PressFreedom 報道の自由が中国当局によって脅かされることに異議を一斉に唱えたのだ。そして#FreeJimmyLai 解放を求める。黎智英 氏は英国に亡命するパスポートを行使せず、逮捕される〈運命〉を敢えて受け入れた。報道の自由を死守せんがため闘うことを選択した。それを、CNNはbrave man 勇敢と評した。
日本だけ周庭のアップ顔写真を多用し、#Freeagnes がトレンド入り。〈民主の女神〉〈学生リーダー〉と各紙持ち上げた。ここで周庭をリーダーに日本のメディアが仕立てあげることで、当局からのマークがより一層厳しくなることを知っている良識のある人々が大手新聞に対して抗議し、〈リーダー〉という見出しは外された。本人も〈女神〉ではないと言っているのに...。
メディアのデマが災いして拘束勢力に「日本は人質に身代金を払う国」だと誤解を生んだ反省がない。そのデマの罪深さを日本で1番知っているジャーナリスト安田氏の批評は特に重く、辛辣。
【NHK】
日本ではNHK ニュース7すら『逮捕の狙いは...』と寝ぼけたことを言っているとき、世界のメディアは冒頭のリンクのとおり核心をとっくについていた。
地上波民放までは我慢したが、NHKまでが周庭が 欅坂46 の『不協和音』に支えられたとのコメントを曲を流しながら放送するのを見て、いかに日本が幼稚かと思い知ると同時に悪寒が走った。芸能ニュースか?...実にお寒い。この日は 黎智英 氏の名前がでるかどうかも怪しいくらいだった。
日本語を話し、日本の文化に興味をもつ周庭を担ぎ上げる。安っぽい〈日本スゴイ〉にどっぷり甘えた結果だと思う。
断じて周庭だけが闘っているわけではない。香港警察との闘争で眼球損傷して失明した女性のことも私は記憶している。
海外から2日遅れてようやくアップルデイリーとは?という映像がNHKでも流れた。
''言論の自由の砦''
遅い。
【CNN】
そうこうしてるうちに、CNN香港特派員のWill Ripley は 釈放後まもない 黎智英 氏の単独インタビューに成功した。香港の自由について実に興味深い内容だった。(彼が東京滞在3ヶ月の取材を終えて香港に戻ってしまって、私は少し寂しい)
テレビのチャンネルはCNNかBBCをつけっぱなしに。Twitterのトレンドは米国に設定している(本当は’World’という設定があるのだが、仕様が変わって元に戻せなくなって今に至る)。そうすると、海外メディアと日本メディアの報道に2~3日の差を常に感じる。
モーリシャスの件といい...。
内向きな日本の報道が心配になる。