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振付家の頭の中

韓国で話した内容を書き残してたので、たまに読み返せるようここに残す。
アーティストと話して、作品の裏話とかバックグラウンドを知れるだけで楽しいし嬉しい。
Martinや先週プロジェクトの参加が決まったマリコちゃんなど(直談判するの緊張した…)、才能あるアーティストのファンであるだけでなく、実際に何か彼らの役に立てたり、新しい経験を与えられるよう、思いつくことは行動おこしていこう。

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Martin雑感

髪を後ろでお団子にまとめてる。細い三つ編みの人束だけうしろにぴょこんとでていて、踊ると揺れる。

目が大きい。背は175くらい?ガタイがよい。

フランスはバイヨンヌ出身。今はイスラエルのキブツ在住(Kibbuts Contemporary Dance Companyにダンサーとして所属)
都会より田舎志向。
イスラエルは5年目で、そろそろフランスに帰るかもしれないらしい。

ガラの中休憩で小学生くらいの女の子2人が「i am monkey'」「i am himan!」とマーティンの真似をしていたことを話したらけっこう喜んだ。

淡々と話す。感情を表に出さないかわりに嫌味な感じもない。

小説は読まない。読み終えるのにすごく時間がかかるから。ビジュアルブックとか、哲学系の本を読む。

natureとhuman bodyがどの作品にも通ずるキーワード。
それ以外にも気になるモチーフは頭の中にいろいろあるらしい。

・モチーフ1 マーメイド
ビアリッツバレエ団に先月振付た時は、30分+oceanにまつわる作品にすることが条件だったので、今までしたためていたこのモチーフを採用した。グリム童話、ギリシア神話、あまさんなど世界各地の人魚をリサーチ。

・モチーフ2 Mask
フランス人写真家●●の写真集Wildder Mann。世界中の伝統的、呪術的な仮装文化が気になってるそうで、今年の夏休みは京都に滞在して個人的に日本のなまはげとかお能とかのリサーチをする予定。(なのに全く計画立てずに京都の飛行機と宿しか手配してなかったから、プロジェクトパートナーのあさみさんと2人で代わりに情報収集)らしい。

最近はダンス公演は見ないようにしている。影響を受けすぎてコピーを作るようにならないため。
バットシェバは例外で、個人的に好きだから新作がでたら見に行く。

ビアリッツバレエ団に振付た最新作Sirensについて。
モチーフはマーメイド。
ギリシア神話のマーメイド(海ではなく空を飛ぶ?)はトロイ戦争に関わった人魚なので、作中で使う音楽はイタリア作家のクラシック楽曲(ヴィバルディとか)。
けっこう暗い。
どの作品にもポリティカルなステートメントを含めるが、今回はトランプ政権がフランスとの海洋環境保全協定を破棄したことへの批判。海洋汚染を暗示するために、ダンサーはオイルを塗って踊る。

周防監督が妻の元バレリーナ草刈民代と作ったドキュメンタリー映画「ダンシングチャップリン」に出演。一ヶ月ほど東京に滞在し、撮影に参加した。ふたりの住む豪邸にお邪魔したり、夜明けまで皆で呑んでから朝5時に寿司を食べに行ったりもしたらしい。

所属していたカンパニーがレジデンシーをとってマレーシアに滞在したこともある。

ここ数年ヨーロッパで振付の賞をいくつかとったが、ぜんぶ自分で応募した。事務仕事をいままでは自分でやってきたが、今はオランダのエージェントがやってくれている。

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