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▶建築レポ #59 『飛雲閣』

「京の冬の旅」非公開文化財特別公開中の「西本願寺 飛雲閣」へ出向きました。

「飛雲閣」は、金閣寺、銀閣寺に並ぶ「京都三名閣」の一つで、豊臣秀吉が建て、1595年に壊された「聚楽第」の一部とも言われています。

不規則な中にも巧みに調和が保たれた非対称の姿形や、全体的に柱が細く、障子が多いため、空に浮かぶ雲のようだということから「飛雲閣」と名づけられました。

通常は非公開となっていますが、2024年1月20日(土)~3月10日(日)まで特別公開中です。

「飛雲閣」は、滄浪池(そうろういけ)の北面に建つ、三層の楼閣建築です。

上下を貫く中心軸を用いない建築構造になっており、取り付けられた屋根や窓は、さまざまな造形の外観で表現されています。

一階部分は向かって右が付書院の入母屋造り、向かって左が唐破風屋根、二階部分は右が花頭窓、左が軒唐破風屋根で、左右アンバランスな構造になっており、三階の望楼(摘星楼)のみがシンメトリーというデザインは他に類を見ません。

また、舟から直接建物に入る仕組みを持ちかつ現存する茶亭はこちらのみのようです。

二階部分には平安絵巻のような三十六歌仙の姿が描かれ、金箔があしらわれているため、太陽の光を反射し、輝きを放つようです。

特筆すべきは、敷地内に置かれたひとつの灯籠です。

こちらの灯籠の形をよく見ると、竿石の上部が十字架様に張りだしており、この形は「織部灯籠(キリシタン灯籠)」によく似ています。

残念ながらこの灯籠の近くまで立ち入ることができないので裏側を確認できませんでしたが、ひょっとしたら向こう側にはこのような「彫り物」があるのではないかと...✨

ちなみに、こちらの庭園にはこのような不思議な形をした置物もありました。

いずれにしましても、こうしたレトロな建築物が見れることは有難く、この先も大切に保存されることを祈るばかりです✨

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