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告示改正で酒類持込み規制可能に 許可した飲食店に罰則 重点措置にも適用

 田村憲久厚生労働大臣は5月7日、インフルエンザ等対策特別措置法(以下「特措法)に基づく「緊急事態措置」および「まん延防止等重点措置」(以下「重点措置」)の一環で、利用客による酒類持ち込みを認めないよう、知事が事業者に要請・命令できる権限を付与する告示改正を行った。7日夜、官報で告示した
 第三次緊急事態宣言では、知事が「酒類提供の終日停止」を要請していたが、酒類を提供しない代わりに、酒類の持ち込みを認める店が続出したと報じられていた(日テレ報道参照)。
 菅義偉首相は、緊急事態宣言の延長を発表した7日夜の記者会見で、酒類持ち込みを認めない措置をとる方針を表明。改定される基本的対処方針にも盛り込まれる。

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 今回の告示で追加されたのは「入場をする者等により持ち込まれた酒類を飲用に供するための場の提供の停止」。

 厚労相の告示改正で、知事の命令権限を追加したのは、4月1日、4月23日に続いて3度目。告示の事前公表やパブリックコメントは今回も「緊急性」を理由に省略された
 特措法は、知事の事業者に対する命令権限を政令で追加できるとしており、政令である特措法施行令は厚労相の告示でも追加できると定めている。

 4月23日の告示改正では、特措法上、営業時間短縮より強い私権制限はできないとの国会答弁を覆し、居酒屋等を事実上休業させることにつながる「酒類提供停止」措置を重点措置で可能とした(参考記事)。
 これについては、憲法学者からも、法の委任の範囲を超え「違法の疑いがある」との指摘が出ていた。
 今回の告示改正では、緊急事態宣言の対象地域だけでなく、重点措置の対象地域でも「酒類提供停止」に加え、「酒類持ち込み規制」が可能となった。


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