Tier3デッキのすゝめ
はじめに
はじめまして。Ver.2.0(ばーつー)と申します。
主に関東圏でデジモンカードゲームをプレイしております。
また、関連してプレイマットやメモリーマーカー、デッキケースといったサプライの制作も時折行っているものづくり屋の端くれでもあります。
私自身、特別に列挙出来るような公認大会での実績は何ひとつないプレイヤーであるにも関わらず、首題のテーマについて思想を残すべく筆を取った次第です。
何の実績も出していない人間が、急に思想を語りだすのシンプルに怖くないですか?私自身も怖いなと思いながらいまこうして記事を書いています。
Tierの定義
デジモンカードゲームにおける「Tier(ティア)」とは何か。
それは即ち「デッキの強さ」です。Tierは後に続く数字が少なければ少ないほど強い位置づけとされており、例えば「Tier1」は環境においてトップの強さを誇るデッキを意味します。
Tier1に位置するデッキの主な特徴として、
・他のカードよりも強い効果を持ったカードを中心に構築されている。
・盛んに研究が行われ、環境に対して対応力の高い構築が流布している。
・特定のカードの組み合わせによって高いシナジーを発揮した構築になっている。
といった特徴が上げられます。
学生時代、イケメンのサッカー部がモテ環境を支配していたかと思います。
まさに彼らも学生環境におけるTier1に位置し、ご両親から授かった高いビジュアルアドバンテージと特徴に「運動部」を含んだことで環境に明確に刺さり、Tier1の地位を独占していたと考えられます。
それではイケメンでもなく特筆すべき運動センスも持ち合わせていないTier1よりも下層のTierにいる場合、どのようにしてTier1環境へ対抗してゆくのか、あるいは生存戦略を立案するのかを後述します。
何故Tier3なのか?
Tier1デッキが王座に君臨し、Tier2デッキがその王座を虎視眈々と狙っている中、Tier3デッキは何をして過ごしているのかを考えたことはありますか?
結論として、どうにもなっていません。
当然、その弱さ故に使用人口は少なく、それ故に研究が進まず練度の高い構築が広く流布するケースはほぼありません。
そもそもですがTier3と呼ばれるカード群、デッキ群はカードパワーが低く、刷られた段階で絶対にTier1のカード群の性能の壁を超えられないことも往々にしてあります。
カードゲームは当然試合が伴い、また試合には結果が付きまといます。
結果はそのまま実績や景品の獲得に繋がる為、大会が頻繁に開催されているデジモンカードゲームの世界において、弱いとされているデッキをわざわざ使用する理由は全くと言っていいほどありません。
しかし、そこにこそTier3デッキの魅力がすべて詰まっています。
【1】研究の余地がある
前述した通りTierが低いデッキやカードは兎角誰の関心にもないことが多く、いわばブルーオーシャンの状態です。
まだ誰も発見していないコンボやシナジーを発見出来るかもしれませんし、もしかしたらTier1デッキとされているデッキに意図せず適性があるかもしれません。まだ誰も発見していないコンボを見つけたとき、そのコンボにもしかしたら自分の名前が付くかもしれませんよね。例えば将棋の世界では発見した棋士の名前がその戦法に冠されたりしますし、そういった未知からやって来るワクワク感は「まぁこんなん誰が使っても勝つだろう」と揶揄されてしまうようなTier1デッキでは得られないTier3デッキの大きな魅力の1つです。
「どうやったら強くなるか」を考えるのは、カードゲームの根源的な楽しさだと思います。勝ちたいからという理由だけで自分で構築を考えず、実績を出しているプレイヤーのレシピ付き記事を買い、そのまま組んで回す。もちろん成果は伴うのかもしれませんが、それって本当に楽しいですか?
【2】安くデッキが組める
これも大きな魅力の1つです。デジモンカードゲームも環境の中で猛威を振るうカードは価格が高騰することが頻繁にあります。
1つのデッキと添い遂げその生涯を終える酔狂な方もいますが、大体のプレイヤーは環境が変わるとその都度新しいデッキを組むことを余儀なくされます。
特にデジモンカードゲームは新弾カードが過去弾のカードを文字通り「過去のもの」に変えてしまうことが多く、特定のアーキタイプを除き数枚の入れ替えでは留まらずほぼすべてのカードの入れ替えが必要なケースも少なくありません。
しかしTier3の世界においては心配ご無用。
タイミングによってはTier1カードの通常SRよりもTier3カードのパラレルカードの方が安いこともありますし、あまつさえTier3の世界ではSRクラスのカードがコモンクラスのカードと共にストレージに投げ込まれ、まるでジャンク品かのように扱われていることもあります。
前述した通りTier3デッキは研究が浅いケースが多く、様々な構築をトライアンドエラーする必要があります。そうした場合に「カードの単価が高い」は必ずボトルネックとなり、「俺は金を払ってなんでこんな弱い山の研究をしているんだ」という至極当然の結論に到達する速度を早めてしまいます。
安くカードが入手出来ること。これはTier3デッキを楽しむ上でも重要な要素のうちの1つです。
【3】1歩下がって楽しめる
重ねてではありますが、Tier3のデッキは大会上位を争うデッキでも、テイマーバトルで頻繁に見かけるデッキでもありません。
どのカードゲームでもそうですが、環境が変わる度に目まぐるしくどのデッキが強い、どのデッキならカバーの範囲が広いetc…といったことを、上位を狙う上では行い続ける必要があります。Tier1の世界では「参加して楽しかった♪」という記憶よりも実績や賞品を狙いにいくわけですから。
ただTier3のデッキだって、そりゃ試合をするからには勝ちたいに決まってます。相手がTier1デッキで、本当に殆ど負けます。負けたら悔しいです。
しかしTier3デッキ自体がそういった上位競争下にないので、仮に大負けしたとしても環境に応じてカスタマイズが出来る伸びしろや、型が決まってないが故に新たな構築を模索する楽しさにその敗北感を変換できます。だってデッキが弱いのは事実ですし。だからこそ自分の中で仕方ないと保険を掛けることも出来ますし、それと同じようにまだまだこれからと自分を鼓舞することも出来ます。
勝ち負けだけに支配された殺伐とした世界で、上位のデッキはTier3デッキのことなんてこれっぽちも気にしていません。居ないものとして扱っていますから。だからこそ、Tier3デッキは好き勝手やっていいんです。その競争に入っていなかくたって、カードゲームは十分楽しめます。
おわりに
ハッキリ言って、Tier3デッキは弱いです。
でも弱いからこそ、まだまだ強くなるかもしれません。
100人で研究しても、何の結果も出ないかもしれません。
でも、誰もスポットを当てていないだけで、まだ誰も発見していない強さに巡り合うかもしれません。
これを読んでるあなた、お気に入りのデジモンはいますか?
そのお気に入りのデジモンは、いま環境上位にいますか?
でもそのデジモンを最初に好きになった理由って、
環境に居るとか居ないとか、全く関係ないですよね。
もし好きなデジモンが弱かったとしても、
好きなデジモンで好きなようにデッキを組んで楽しみましょう。
これが、Tier3デッキのすゝめです。
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