見出し画像

虹は 神様との約束

子どもの頃から、虹を見ると「神様との約束」という言葉が浮かんできました。
それは、みんなが知っている言葉だと思っていました。
けれど、誰かに言ったことはありませんでした。

ある日、夫とのドライブ中、
大きな虹が出た時に
「虹は、神様との約束だよね。」
ごく自然に、私の口からこの言葉が出ました。
「どんな約束?」
夫の問いに、
「えっ、知らないの?」
衝撃を受けた私。
「知らないよ。どんな約束なの?」
「・・・ どんなって・・・知らないの? 信じられない。みんな知ってるでしょ。」

そう言ってはみたものの、具体的に言えなくて、どんな約束か考えたことがなかったことに愕然としました。
その日から、氣になって、氣になって、
天に向かって、
「どんな約束でしたっけ?」
と、聞いてみても、すぐに返事が返ってくることもなく、忘れかけた頃、
あるビジョンが見えました。
絵本のようなお話です。

虹は 神様との約束 

レインボー ドロップス

ライラは、たくさんのお友達と雲の上で遊んでいました。
すると、白くてながーいおひげの神さまがあらわれて、手まねきしました。

ライラは、
「わたし?」
不思議に思いましたが、急いで神さまのそばへ行きました。

神さまは、
「ライラ、お願いがあるのです。」
そう言って小さな箱を見せました。
その箱には、赤やオレンジや黄色のドロップがたくさん入っていました。

神さまは、ひとつ手にとって、ライラの口に向かってポン。
赤いドロップが、ゆっくりと飛んできて、ライラの口に入りました。

するとどうでしょう。
ライラのからだがキラキラキラキラ。
とてもきれいに、赤く輝きだしました。

神さまは、大きくうなづいて、こう言いました。
「地上のみんなにこれを渡してきてください。これは、約束を思い出すドロップです。」

「約束? どんな?」
ライラは、不思議に思いましたが、キラキラキラキラ輝いている自分を見ているうちに、
「これを食べて、キラキラになったら、みんな笑顔になる!」
と、嬉しくなってきました。

「これをどうやって渡したらいいのですか?」
ライラは、神さまに聞きました。

すると神さまは、
「大丈夫。そのドロップたちが教えてくれますよ。」
そう言って、優しく頭をなでてくれました。

ライラは、大きくうなづいて、ポケットに入れたドロップをギュッとつかんで、地上に降りて行きました。

雲と雲の間から地上に向かって伸びている、光のすべり台をスルスルスルゥーとすべって行きます。

「わぁー、氣持ちいいー。」
しばらくすると、緑色の野原が見えてきました。
「あー、きっとあれが地上だわ。」

ライラは、野原の真ん中にドッスーン。
大きな音をたてて落ちました。
「いったぁい。雲の上はフワフワなのに…。」
ライラは、立ち上がって、歩き出しました。

しばらく行くと、神さまと同じようにおひげのあるおじいさんに会いました。

「こんにちは。わたし、ライラ。ドロップあげる。」
そのおじいさんに黄色いドロップを渡そうとすると
「ふん。」
こわい顔でにらんで、行ってしまいました。
「あれ? おかしいな。黄色いドロップじゃなかったのかな? ま、いいや。」

ライラが歩き出すと、きれいなお姉さんと出会いました。
「わたし、ライラ。ドロップあげる。」
お姉さんは、ドロップを渡そうとしても、目もあわせずに行ってしまいました。
「えー、わたしが見えてないのかなぁ?」

ライラは、氣にせず、また歩き出しました。
子どもも、おとなも、次から次に、たくさんの人に出会いましたが、
みんな忙しそうに歩いていて、誰もドロップを受け取ってくれません。

「あーあ。」
ライラは、疲れはてて、道ばたで寝むってしまいました。

どれほど時間がたったのでしょう?
ペロペロ ペロペロ
ふと目をさますと、
こいぬが、ライラの顔をなめて、
「それ、ちょうだい。」
「これ?」
ライラは、ドロップの箱を見ました。
こいぬは、嬉しそうにしっぽをふっています。

「はい。どうぞ。」
ライラは、手に出したドロップをこいぬにあげると、
「わぁーい!」
こいぬは、大喜びで食べました。
すると、

キラキラキラー。
なんと!
こいぬは、緑色に光り輝きだしました。

「そうだ! わたしは、これを渡しにきたんだ!」

ライラは、思い出しました。
「ぼくは、ロン。いっしょに行こう!」
こいぬは、ライラの顔を見ています。
「いっしょに?」
「うん」
こいぬは、嬉しそうにうなずきました。

ライラは立ち上がって前を見ました。
どこまでも真っ直ぐな道が続いています。

ライラは、歩き出しました。
もちろん、ロンもいっしょです。
しばらく行くと、たくさんの人たちに出会いました。

ライラがドロップを出して渡そうとすると、
今度は、みんな嬉しそうに口を開けてくれました。

ポン。
口の中に入れた途端、
キラキラキラキラ…。

赤・オレンジ・黄色・緑・青・紫。
みんな、いろいろな色で光り始めました。

すると、
「ぼくは、みんなが笑顔になるようにサポートする。そのために生まれてきたんだ。」

「わたしは、子どもたちが自由に、やりたいことができる場所をつくるの。」

「みんなが助け合って、楽しく暮らせる国をつくりたい。」

パチンパチンとはじけるように、みんなが口々に話しだしました。

どうやら、神さまとの約束を思い出したようです。

「よかった!」
ライラは、ロンを見てニッコリほほえみました。

その時です。
ライラの目の前にいたはずのロンが消えて、白くて長いおひげの神さまがあらわれました。

「よくやってくれました。ライラ、ありがとう。」
「神さまー。ロンは、神さまだったのですか?」
ライラは、驚いて、大きなひとみをパチクリパチクリ。
神さまはニッコリ。

「みんな、生まれる前に決めてきたことを思い出したようですね。」
「神さまとの約束ですか?」

ライラが聞くと、神さまは、
「自分で決めたことですが、忘れないように、わたしと約束するのです。」

「自分で決めたこと?」
「そうです。虹を見ると思い出すはずですが、忘れたままの人も多くて。」

「虹は、神さまとの約束…」

ライラは、手に持っているドロップを見ました。
赤・オレンジ・黄色・緑・青・紫。
どれもとってもキレイです。

まわりを見ると、みんなキラキラキラキラ。
草も木も川も海も、キラキラキラキラ…。
とてもきれいに輝いています。

ライラも、キラキラキラッー。

みんなが輝き始めたら、
地球もキラキラ。
まぶしいばかりに光り輝く〝キラキラの星〟になりました。

キラキラの地球では、みんなが笑顔。
人も動物も植物も、地球に住むすべてのものたちが互いに助け合い、肌の色も、年齢も、性別も、職業も、階級も、宗教も、思想も、違うことで争うことなく、互いをうやまい、やりたいことを応援しあう仲間たちがどんどん目覚めて、愛がいっぱいあふれています。

地球は、どんどん輝きを増し、
〝キラキラの星〟になりました。

めでたし、めでたし☆

虹を見て、この星の進化を手伝いたくて
地球に来たことを思い出す。
すべての存在が、自分の色で光り輝くように。
私たちは地球の細胞のひとつ。
小さな輝きも集まれば、
光り輝く星になる。

よろしければ、サポートお願いします☆ いただいたサポート費は、クリエイター活動に使わせていただきます💓