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サラリーマンから起業家へ。〜グローバル起業家のストーリー〜

ベンチャーズアカデミーでは、月に一度、新規事業開発や社内起業に関連した実績を持つ専門家を講師にお招きし、講義・ディスカッションを行うエキスパートセッションを実施しています。

記念すべき第一回は、米国シリコンバレーで日米のスタートアップや新規事業のビジネス支援を行う事業、新規事業人材育成、そしてDisconnected Youth(社会から逸れてしまった若者)の再起支援を行うTakeoff Point代表の石川洋人さんにご登壇いただきました。

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石川さんは、これまでの人生の半分を米国で過ごし、日本で大学を卒業後、米国JPモルガン投資銀行部門へ入社、その後2003年にSONYに入社し海外事業を担当。2009年にミシガン大学にてMBA取得後、同社CEO室でCEO/CFOスタッフとして構造改革やM&Aの推進に従事。その後2015年に現在のTakeoff Pointを設立し、ソニーをはじめ、日米のスタートアップや一般企業の新規事業に対するビジネス支援や人材育成、また、まだ表に出ていない企業の特許や技術を活用した社会課題解決ビジネスの立ち上げにも尽力してこられました。
現在は、営利事業である、スタートアップ/新規事業のビジネス支援事業、人材育成事業を主軸とし、非営利として社会課題の解決、特に親会社のソニーのプログラミング教育のプロダクト"MESH"を活用した、Disconnected Youth(社会から逸れてしまった若者)の再起支援に注力されています。

ここまで読むと、まさにスーパーエリートの華々しいキャリアそのものに見えますが、会社に求められるままに競争社会を生き抜いてきたサラリーマンから起業家としてのキャリアチェンジの背景には、壮絶な苦難があったといいます。

起業のノウハウもわからずにスタートした起業当初、ソニーのアクセラレーションで事業化されたビジネスのプロダクトをシリコンバレーで販売する仕事を請け負うも、まったくうまくいかず、ひたすらに苦戦しつづける毎日。
いよいよ資金も底を尽きかけて途方に暮れていた時、かねてから関心を持っていた子供の教育現場に、ソニーの新規プロダクトMESHを活用できないかと思いつき、貧困層が多いエリアの学校にMESHを使った授業をボランティアで提供することを始めました。

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そんな活動のさなか、石川さんはDisconnected Youthたちが抱える、想像を絶する状況を目の当たりにします。
Disconnected Youthとは、全米に550万人以上(16-24才の7人に1人)いると言われる家庭の事情で学校へ通えず、仕事にも就けず、社会との繋がりが絶たれてしまった16-24歳の若者のことを言います。
彼ら彼女たちはドラッグや犯罪に手を染めてしまったり、望まない妊娠で貧困の連鎖を生んでしまったり、ホームレスになったりといった深刻な状況に陥ってしまいます。
そんなDisconnected YouthをMESHを通じた教育で再起させる支援をすべく、石川さんは立ち上がりました。

その活動は話題を呼び、瞬く間にシリコンバレーベイエリアの教育従事者の関心を集めることになり、財政界からも活動が評価され、米国下院議員から表彰を受けるまでになりました。
意図せずに善意で始めた社会課題解決の活動が実を結び、MESHのマーケティングに貢献することになります。シリコンバレーで見向きもされなかったプログラミング教育ツールのMESHもその知名度を高めていきます。

そんな頃石川さんは、
・自分はどんな人間なのか?
・自分は将来どんな人間になりたいのか?
・自分は社会とどのように関わりたいと思っているのか?
といった、自らの想い、WILLを競争社会で失ってしまっていたことに気づきます。

子供が好き、教えることが好き、学生時代に貧困国で見た貧しい子供達の現状を救いたいと思った時の気持ちが蘇り、「会社に求められている」ことではなく自分が「社会に対してやりたいことを」全うすべきという気持ちが心の中で再燃し、やがてMESHを売るという「仕事」が、Disconnected Youthを減らすというライフワークになったと石川さんは振り返ります。

事業を創る人には何が必要か?

「社会を自分の視点で見る」
「何がやりたいか?を自分で考える」
「"Access"と自分から動ける行動力」

「事業を創る」には、まず「自分から」
自分の人生の主人公は「自分」

最後にこんなメッセージをいただきました。

参加者の皆さんからは以下のような感想をいただきました。

・主人公は「自分」、会社や他人起点ではなく、自分が考える、行動するという視点の重要性を再認識できました!

・いざ自分で何か動かなければならない時、私は”楽しめるかどうか”を軸に考えることが多いのですが、そんなんでいいのかなぁと悩むことも多いので背中を押してもらったような感覚で感動しました。

・個人として会社に認められるよりもまず、社会に共感してもらう、そしてその解決のためにアクセスしにいくというメッセージが刺さりました。社会課題は「ある」のではなく、自ら「見つけに行く」という考え方が、大切なのかな、と思いました。

・自ら選択して行動していると思い込んでいましたが、結局会社に依存してしまっているし、選択を握られていると気付きました。今の自分の実力だと個人でやっていける実力はないです。そのため、自分で自分の道を切り開いていけるようなキャリアを再度考えようと思いました。

・良し悪しではなく、好き嫌い。自分の気持ち・自分の時間に「ピュアである」ことがとても大事なんだと、お話を聞いて改めて感じました。石川さんの爽やかさの源ですね、きっと。

・無意識に、会社から求められるコトを考えてやろうとしてしまっていることに気づきました・・・自分が何をやりたいのか、何をしたいのかをもって行動することが大切だと感じました。学生の時に考えていた自己分析を振り返ることとと、今の自己分析をもう一度してみようと思います。

・目先のタスクに追われると「なんで新規事業をはじめたのか」忘れてしまい、周りの期待に応えるような行動に思考が行ってました。輝かしいご経歴の中で行きついた大切なことは、「マインドセット」とという点が印象的でした。

お忙しい中ご登壇いただき、素晴らしいストーリーとメッセージをいただいた石川さん、本当にありがとうございました!

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