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個人農家が利益率を高める2つの方法

いつもご覧いただきありがとうございます、ベンチャー農家のなかたく( https://twitter.com/venture_nouka )です。

”食の当事者を増やす。”をミッションに長野県須坂市で「りんご」と「ぶどう」を作っています。プロフィールはこちら↓をご覧ください。

先日、新規就農者が成功するためには、徹底的にパクって進化させるというnoteを公開したところ反響が良かったので、今回は「利益率を高める方法」についてまとめました。

日本の農家の平均年収は200万円??

一般的な市場出荷型農業の場合、気になる農家の手取り収入は、どのくらいになるのでしょうか?

農林水産省の「食品流通段階別価格形成調査・青果物経費調査」(2013年度)によると、青果物(調査対象16品目)の小売価格に占める生産者受取価格の割合は、45.8%(流通経費は54.2%、内訳は集出荷団体経費15.3%、卸売経費4.7%、仲卸経費8.8%、小売経費25.4%)となっています。

つまり販売価格100円の野菜では、農家に支払われるのが46円、そのうち農業経費は約7割かかるので、農家の純利益は14円となります(泣)。

たとえば、キャベツの平均小売価格は150~200円ですので、キャベツ1玉あたりの農家の純利益は21~28円となります。

また、日本の農家の平均年収は200万円だといわれています。最初聞いたときは、「そこまで低いのかな?」と思いましたが、考えてみるとキャベツの場合、7万1000~9万5000玉を卸さなければなりません。。。

なかなか大変な数字です。

そもそも利益とは?

利益は売上から経費を引いたものです。

利益(所得)= 売上 − 経費

個人事業主の場合はここの「利益」が所得になります。法人の場合は会社の利益が「利益」の部分で、事業主である社長の報酬は役員報酬として経費の中に含まれます。

さらに、残った利益から税金や社会保障費と引いて、借入金の返済をして、残りが自分の生活に当てられるお金になります。

売上を上げる方法はたった2つ

先述したとおり、売上以上に利益が残ることはないので、売上を上げなければなりません。農業の場合、高単価のものを大量に出荷することで売上をあがるとわかります。

売上=出荷量×単価

そのため、売上を最大化するには

・出荷量を最大化する
・単価を最大化する

の2つしかないことがわかります。

出荷量を最大化するには?

・栽培面積を最大化する

自分がどこまで栽培に時間をかけれるか、もしくは雇用を増やしていくかで判断が分かれます。雇用を増やすと人件費がかかってくるので、雇用を増やすタイミングは要注意です。
そして、雇用を増やして、栽培面積を増やして利益を出すためには、「同一面積での収穫量(反収)」を増やさないと赤字になります。

・同一面積での収穫量(反収)を最大化する

栽培技術が必要です。栽培品目や栽培方法によっては、環境を制御する機器の導入も必要かもしれません。
この反収が低いままでは、製造業で言うところの「生産性が低い」状況なので、反収の改善以外をいくら行ってもうまくはいきません。

単価を最大化するには?

・市場出荷やJA出荷で単価を最大化する方法

実のところ、市場出荷もJA出荷も本質は同じです。そして、市場出荷やJA出荷で単価を最大化する方法は「秀品率」を上げることです。
つまり、秀品率が低いと儲からないのです。

・市場出荷やJA出荷ではない場合

大きく分けて3つあります。

食品業者向けの契約栽培(ToB)
スーパー等への直接出荷(ToB)
消費者への直接販売(ToC)

食品業者向けの場合、比較的近場に食品加工会社の工場がある場合に成り立ちます。

直接出荷の場合、出荷運賃やDB代や発送料などなど小さい経費が積み上がりますので気をつけましょう。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。

儲かる農家になるためには、まずは売上を最大化しましょう。売上を最大化するためには「栽培面積を最大化し、同じ面積当たりの収穫量を最大化し、単価を最大化すること」です。

気になった点や要望・質問は、ぜひコメント欄へ!

今後もこのnoteでは「農業」や「地方」を軸としたコンテンツをお伝えしていくので、ご覧いただければ幸いです。

農業の始め方に悩んでいる方は、実際に私が農業をはじめるために行った7つのステップを以下のマガジンで紹介しているので是非ご覧ください。


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