夜廻三、トロコンしました

「夜廻三」は日本一ソフトウェアから発売されたホラーアドベンチャー。
「夜道探索アクション」と公式が謳っているだけあり、怖いのにどこか懐かしい小さい頃に感じた夜道の怖さを体感できる点が魅力的です。

今まで固定だった主人公のビジュアルが今作ではある程度カスタマイズ可能、名前と一人称も変えられます。
また、今作から好きなエリアから探索できるようになっており、散らばった"思い出"を回収するごとに探索出来るエリアがだんだんと広がっていく仕様です。
シリーズ通して夜道探索アクションを謳っていたにもかかわらずストーリー進行が一本道だった今までの作品よりも、より"夜の街を探索する"というコンセプトに忠実になりました。
前作「深夜廻」ではあった追加効果を得られるアクセサリーは廃止、その代わり収集したアイテムで主人公の着せ替えが可能です。

主人公は気づいた時には、昔から伝わる神?妖怪?に呪われてしまい、その呪いを解かなくてはいけません。
何故呪われたのか分からず、なぜ思い出が一部抜け落ちているのかわからないまま、目覚めたときに出会ったおねえさんに「君は呪いの解き方を知っている、朝6時までに思い出してここに戻ってきてくれ」と言われ、主人公を送り出します。
そこから、夜の街で見つかる思い出のかけらを通して、呪いの解き方とおねえさんの正体を"思い出して"いくストーリーになっています。
探索先の各エリアで展開されるサブストーリーは主人公の出自とは関係ないストーリーが展開されますが、時に胸糞悪く、時に少し切ないような内容になっています。
個人的に好きなのは「浜辺の思い出」ですね、でもあれは報われたのか…?

全体的な感想ですが、すげーよかったです。
主人公が何故いじめられるようになったのか、おねえさんの正体と関係性はなんだったのか、だんだんと話が繋がっていくことでハッとさせられると同時に「これはおねえさんの物語でもある」ことを思い知らされます。
ちなみにジャケット画像に写っているカメラを提げたキャラクターは、主人公ではなくおねえさんだったりします。
そして主人公が一体何を忘れていたのか、全てを思い出したその先で何を思うのか。
シリーズ恒例ですが、メインテーマと共に手書きのイラストが散りばめられたエンドロールが流れたあの瞬間、小説を読み終えたような読了感からか、思わず大きなため息をついてしまいます。
今作も主人公が"何かを失う"のですが、前2作は身体的なものだったのに対して、今作は非常に重かったですね…。
「まぶたの裏で、君が死ぬ」のキャッチフレーズは、言いえて妙だったなとも思います。

欠点を挙げるなら「高い」ところでしょうか。
前2作もそうですが、パッケージ版DL版共に7,678円は高いですね。
もうちょいボリュームがあれば値段相応とも思うんですけど、これ以上ボリュームあってもグダりそうなんで、もうちょいお安くしても良さそうとは思いますけど、いかがでしょうかね日本一さん。

今回はこんな感じで。ではでは。


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