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菜楽園 飯店

百間川の東に住み始めてもう20年が過ぎて、その間にも街はだんだん変わっている。市中心部から4~6km程度離れたこの辺り、高屋、藤原、関といった幡多学区は以前は陸運事務所があったため、車関係の工場やら販売店などが幹線沿いに並ぶ車の街っていうイメージと、一歩入れば住宅地が多く岡山市のベッドタウン的な地域だったように思う。最近では、岡山市の西の方面の開発が進んで東方面はやや取り残された感があるのは否めない。しかし、スーパーやホームセンター、飲食店などそれなりに充実しているので、別段困ったことはない。まあ、バスで市街地に出るにしても2~30分ほどである。しかも、結構静かなので、住環境としては、すこぶるイイと言えるんじゃないか。古くからの住宅地は高齢化が進み、最近では世代交代が行われつつあり、また、新しい宅地の開発もまた進んできているようだ。

そんな住宅地の中に老舗と言えるような中華料理屋さんがある。「菜楽園 飯店」学生の頃にたまに行っていたので、既に30年以上経っている。八宝菜や中華丼、焼飯、餃子といったところが定番。割りに安くて、美味しい。味はやや濃いめで庶民の中華料理といった風で、地元の人たちに愛されている名店ではなかろうか。知り合いのTさん一家は何かあればここでの食事という、そんな御近所さんが多そうな店である。お昼に時々使ったり、たまに家族で晩ご飯を食べに行ったりしていた。ただ、昼時は混んでいて前の駐車場がいっぱいと言うことが常で、時間をずらさないと行けないことが多かった。昨年だったか、久々に駐車場がガラガラで「今日、定休日じゃないよな?これはラッキーか」と思って店に入ると、おばちゃんが「お店で食事は出来んようになったんよ。お持ち帰り専用の店にしたから…」とメニューを渡された。その時は、外で食事を済まそうと思っていたので、断って帰ったのだが。まあ、色々と事情があるのだろうけど、テイクアウト専門というのがなんとも少し残念な感じだ。何かのご褒美に、中華料理を家族で食べに行くと言う、そんなささやかなハレの場所が一つなくなってしまったと言うのが…
まあ、「菜楽園 飯店」の料理は食べられるわけなので、時々、買って帰るとするかな。

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