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ZN6 86 ZC6 BRZでVVTIが動かないトラブル。巷では今でも頻発するそうなので対処方法を開示!

ZN8型のGR86が発売されて
ZN6型の中古86が市場に出回るようになりましたね。

我々ビークルフィールドにも たくさんの86&BRZが入庫します。

比較的リーズナブルな価格で乗り出す事が出来るFR車と言う事で
結構人気な中古車の様ですが・・・

VVTIが動かなくなって、めちゃくちゃ遅い。
良く聞きます。

「あ~あれね。よく動かなくなるよね。」
って思いながら我々ビークルフィールドでは
今から10年近く前に原因を突き止めた
FA20のVVTI動かなく現象

特にダイナパックに86やBRZを載せた時に頻発しまして
SDSのローラータイプだと発症しないんですよね。
当時は
「なぜ?」
って思っていたのですが、原因が分かってしまうと
「だからダイナパックだとダメだったんだね。」
と言う理屈です。

ではでは9年ほどタイムスリップして
2015年の3月へ

当時はZN6 86もデモカーとして所有しており
早々にボルトオンターボ化して走っていました。

そしてエンジンブローしたので新たに組み直す為エンジンを降ろしました。

このエンジンブローした時には すでにVVTIは動いて居なかったのですが
エンジンブローによる失火カウンターがVVTIの制御をストップさせている!と言う仮説を立てていました。

一般のお客さんの作業を優先させるので
デモカーのエンジンが再組立て出来たのはその年の夏でした。

慣らし運転を行うためにダイナパックに載せ
診断機を繋げてVVTIの進角角度診るとずーっと0度
10分経っても20分経っても30分経っても
ず~と0度なんです。

エンジンを組み直しているので

回転信号のクランク角度信号や

カム角度センサーの位相図ズレを疑いますが問題なさそうです。

初めて症状が出てから考えると
この時点ですでに1年ほど悩んでいた事になるこのトラブル。
今までは不思議なことに数十分ほどエンジンを掛けっぱなしにしておくと
勝手に治って通常通りになっていたのですが
今回はいくら待っても治らない。

診断機の画像を睨みつけていると

VVTIが動かない時は、このOCV駆動dutyという数値が
5%前後をうろついています。

正常に動いて居た時は

50%前後の数字を表示して

診断機によるバルタイのテスト変更もアクティブになります。
VVTIが動かない時は当然

テストが実行出来ずに拒否されてしまします。

新品で組んだVVTIユニットそのものが不良だった!?
なんて事を疑い

ユニットに直接 可変電圧を加えると
ユニット自体はカチャカチャ動いてます。

VVTIそのものが固着等で動けないわけではなく
制御側が「動け」と言う命令を出していない。
なぜ出さないのか・・・

整備書を読み込むと、それまでのVVTIユニットとは異なり
進角側だけでなくデコンプの為
遅角側にもオフセットする事があると書いてあります。

2JZや1JZのVVTIユニットは
油圧が全く掛からない状態で進角0度になりますが
FA20のVVTIユニットは進角側と遅角側を識別する為に
VVTI 0度を覚えこむ必要があるとも書いてあります。

ソレノイドタイプのOCVを使ったVVTIコントロールとは違い
86のVVTIはduty制御によってバルタイをコントロールし
インテーク側は0点を最大遅角とせずに
さらに30度ほど遅角出来るように(バルタイ-27度)設計されています。

このためエンジンストップ時は
中立保持(バルタイ0度)をするためにスプールバルブを調整し
中立になった段階で
ロックピンが勘合されるようなシステムを採用しているとの事。

っで、このロックピンが外れた状態で
バルタイ0度の時をECMが覚えこむ学習があるようなのですが
この0度学習が終了しないとVVTIは動かないようです。

厄介なことに、当時はどうやって
その0度を覚えこんでいるのかがまるで分かりませんでした。
ユニットは非分解なので詳細は整備書にも書いてありません。

一度0度を覚えてしまえば、次のエンジンスタートからは問題ありませんが
バッテリーのマイナス端子を外したり
ROMを書き換えたりすると再度0度の覚え込みが必要となる仕様の様です。うまく行かないと、いつまでたってもVVTIは動きません。

電子的な信号でエラーが出ているなら
チェックランプの類が点灯するはずですが
そういった類のエラーは出ていません。

そうなるとハード的な問題でECMが正常な信号を拾えないのか?

分解大好きなチーフメカニックが非分解指定のVVTIユニットを分解し
中立地点勘合ロックピンを外す仕組みを解明した所
勘合時はスプリングの力、解放時は油圧の力で行っています。

油圧・・・?

ここに最大のヒントがあったのですが
当時は油圧=オイルの番手と言う事で
低粘度オイルに替えて検証する方向に進んでしまいました。

油圧とVVTI Dutyの関係から色んな考察に進み
最後の最後はVVTIがなぜ動かなくなるのかを解明し
動かなくなったらどうすれば動かせるのか?
そしてなぜローラー式シャーシダイナモでは起こらないのに
ダイナパックに載せると発症したのか?
それらの答えをすべて見つけ出す事が出来ました。

この辺りの答えは有料ページにて開示させて頂きます。

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