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【レポート】ワークショップ「マリンバ体験ワークショップ「Silent for 小杉湯」を作ろう!」 2021.06.24

ワークショップ「マリンバ体験ワークショップ「Silent for 小杉湯」を作ろう!」を、高円寺の銭湯「小杉湯」にて開催しました。

前作「Song for 小杉湯」

今回は、2年前に小杉湯のオリジナル館内音楽「Song for 小杉湯」を制作した、Vegetable Recordの「The Vegetables(林翔太郎、三上僚太)」とマリンバ奏者「野木青依」によるマリンバ体験のワークショップ。

Vegetable Record / ベジタブルレコード

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Vegetable Record / ベジタブルレコード
「音楽の新しい楽しみ方・価値観を創る」をコンセプトに掲げた、音楽レーベル。林翔太郎(写真左)と三上僚太(写真右)により設立。楽曲を空間やプロダクトなどを構成する「自立したひとつの要素」として制作し、その時/場所/物でしか成り立たない音楽「サイトスペシフィック・ミュージック」を目指しています。「ONSEN RYOKAN YUEN SHINJUKU」の館内音楽、専門店と共同制作した「音楽付きコーヒー豆」「音楽付きビール」など、他多数。ワークショップやライブ、インスタレーションも多数開催。

Aoi Nogi / 野木青依

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Aoi Nogi / 野木青依
1994年宮城県仙台市生まれ。11歳からマリンバ演奏を始める。桐朋学園大学音楽学部打楽器科卒業後、2018年8月メルボルンにて開催された ”第5回全豪マリンバコンクール”第3位並びに新曲課題における最優秀演奏賞受賞。おふろcafé utatane、高円寺"小杉湯"館内音楽の演奏を担当。「健康とユーモア、子供心が踊ること」をモットーに、親子向けの音楽WS・銭湯などの公共空間で演奏会を多数開催。モデルとしても活動。URBAN RESEARCH "URBAN SENTO"メインビジュアルモデル他。

新作「Silent for 小杉湯」

ベジタブルレコードが作曲した譜面を使って、野木青依がマリンバの演奏方法をレクチャー。そして、ワークショップ中の音は全てレコーディング。

参加者が奏でたパーカッションやマリンバの音を使って、ベジタブルレコードが新曲「Silent for 小杉湯」を制作します。

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夏ごろより小杉湯の新しい館内音楽として、実際に待合室や脱衣所で流れる予定です。

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小杉湯の新しいコンセプト

2年前の楽曲「Song for 小杉湯」に対して、新曲のタイトルは「Silent for 小杉湯」。

小杉湯のための沈黙、静けさ。

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タイトルは小杉湯三代目、平松佑介氏のアイデア。

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小杉湯や銭湯の「新しい価値観・楽しみ方」。

前作「Song for 小杉湯」が小杉湯や銭湯の賑やかさを音楽で表現したとすると、新作「Silent for 小杉湯」は小杉湯や銭湯の静けさを音楽で表現します。

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小杉湯でしか成り立たない「サイトスペシフィックミュージック」

どちらの楽曲にも共通しているのは、「小杉湯の中でレコーディングした音のみを使ってひとつの音楽を作る」ということ。

銭湯で現実的に聞こえる環境音とスピーカーから聴こえる楽曲の境界線を曖昧にし、小杉湯でしか成り立たない「サイトスペシフィックミュージック」を目指します。

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銭湯パーカッション

ワークショップは2回実施。先ずはウォーミングアップも兼ねた、銭湯パーカッション。

使った楽譜は「#17」。

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小杉湯の浴室内で打楽器になりそうなものを見つけて、音出しのヒント「たたく」「こする」「ふる」を手がかりに自由に音を出していきます。

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そして、身体が馴染んできたところでマリンバ体験に。

マリンバ体験「響き」「間」「気配」

今回のマリンバ体験のコンセプトは、「響き」「間」「気配」の3つ。それぞれのキーワードに沿った方法で、マリンバ演奏をしていきます。

自分自身の奏でる音に集中する。そして、周りの音に耳を澄ませる。

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マリンバ体験「響き」

先ず最初は「響き」。

マリンバの響きが反射して天井から音が降りそそぐ、教会のような銭湯空間を、演奏を通して体感してもらいます。

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使った楽譜は「#14」。使用する音は「ファとミ♭」「シ♭とラ♭」「ラ♭とシ♭」「ミ♭とド」。

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それぞれ叩く音が決まると、野木から肩をポンと叩かれた人から順番に「トレモロ(音板をマレットで短く連打することで、ひとつの音が長くつながっているように聴こえる奏法)」という弾き方で、3〜5人同時に演奏していきます。

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段々と音が増えていき、合奏に。そして、野木から肩をもう一度叩かれた人から順番に演奏を終えていきます。

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段々と音が減っていき、最後は独奏になって終了。

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マリンバ体験「気配」

次は「気配」。

使った楽譜は「#15」。「ラ♭→ファ→ソ→ド→ミ♭」、5つの音を1人ずつ順番に叩いていきます。

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初めに叩く人の「音の数(何回叩くか)とテンポ」は自由。

2番目以降の人は、「前の人の演奏が終わったな」と思ったら、初めに叩いた人の音数やテンポを受け継いで叩いていく。

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伝言ゲームやバトンを渡すように、初めに叩いた人の呼吸が最後の人まで繋がっていきます。第1奏者の解釈は様々で、タイム感や雰囲気はとてもバリエーションに富んでいました。

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マリンバ体験「間」

最後に「間」。

使った楽譜は「#12」。「ソ+シ♭+ミ」の和音、「ミ♭+ド+ラ♭」の和音、「ファ+レ+シ♭」の和音。

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3〜5人が1音ずつ受け持って、ひとつの和音を鳴らします。

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1人ずつ順番に指揮者になって、その人の間に合わせて残りの参加者は叩きます。回数は5回。

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指揮役になる人によって、色々なハーモニーが生まれます。シンプルな和音だからこそ、奥深さがありました。これでワークショップは終了。

野木青依パートのレコーディング

2回のワークショップの間に、野木のソロパートのレコーディング。

10種類ほどの短いメロディーや和音をベースに、1分間ほど即興演奏。

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ワークショップの音と野木パートの演奏、これら全ての音を編集して、ひとつの楽曲「Silent for 小杉湯」を作ります。

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詳しいリリース時期は、追ってベジタブルレコードや野木青依、小杉湯のHPやSNSなどで発表予定です。

ご参加いただいた皆さま、ご協力いただいた小杉湯の皆さま、ありがとうございました。

<2021年6月24日 小杉湯にて>

【追記】2021年8月1日、「Silent for 小杉湯」をリリースしました

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