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ベガスの物語:新入社員編

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#新入社員

【ベガスの物語】4話:オリエンテーション完了?

クリシュに鍛えられ続けているベガスは、社会人の一歩を無事に踏み出したかに見えた。忖度の嫌いなクリシュであり、工場におけるリーダーシップの中でも中核を担っている彼の中で一目置いている、少なくとも当時のベガスには一目置いているように見えたのが、船会社出身泣く子も黙る工場長、田中と、独特なシニカルさを持ち合わせ、以前の職場で組織を解体する際に活躍すると恐れられた前野であった。 工場長田中先話まではクリシュとの話をしてきたが、予兆はあったのであった。 入社し、製造現場にてオリエン

【ベガスの物語】3話:仕組みが行ったり来たり

鼻毛!の印象が色濃く残る中で、ベガスは社会人の一歩を湖の麓の工場にて始めた。Capable Vegas.オンボーディングの先にある、より進化したベガスを目指して悪戦苦闘の1年間の幕があけたのであった。 はじまりは事業部の指針まず渡されたのが、事業部全体の今会計年度における指針であった。ベガスの入社した組織において、重要な指針となるもので、事業部のPLにおけるゴールだけではなく、どこで戦うのか。どのように勝つのか?といった”ビジネス”における戦略、戦術をまとめた資料であった。

【ベガスの物語】2話:鼻毛のその先に

湖の辺りの工場に配属となったベガスは、意気揚々と”田舎”ぐらし、社会人生活を始めたのであった。サプライチェーンを専門領域としているという現状と比較すると、航空宇宙専攻していた香りがしっかりと残る状況。工場での全体会議での大失敗から程なくして、バケーションから帰ってきたばかりの上司と、早速ご対面となった。 初めての上司はインド人!Good Morning Vegas-san. 工場の2階のオフィスの端っこの、小さな会議室に現れたのが上司出会った。颯爽という言葉とは反対側にいる

【ベガスの物語】初話:田舎"なんか"に配属されました

『私はベガスと申します。本日から、こんな”ど田舎の工場なんか”に配属されて、社会人生活をスタートするのが大変楽しみにです。このような田舎に来るのは新鮮ですし、私自身の大きな決意があってこその新生活の一歩だと気持ちを新たにしています。どうか皆さんよろしくお願いします。』 ベガス、この物語の主人公は、新入社員として配属された、湖畔の小さな工場にて、工場の全従業員が集まる最初の会でこんな挨拶をした。無論、彼自身には何にも悪気がないのであろうが、工場が新設されてから数十年たち、主に