見出し画像

ヘロンの噴水を作ってみたよ

これが「ヘロンの噴水」ってやつです。
紀元1世紀ごろアレクサンドリアの数学者で技師のヘロンが発明したものと伝わっています。

画像1


これを、ペットボトルで作ってみました。Youtubeでたくさん動画が上がっていますのでそれを真似てみたのです。
写真ではわかりにくいので、説明図を示します。

画像2


ペットボトル(キャップ付き)とプラスチックストロー、そしてエポキシ接着剤(2液型)そして余分に二つ、ペットボトルキャップを使いました。
工具として半田ごてとカッターナイフが必要です。
接着剤は「ホットメルト」とか「グルーガン」というもののほうが適しているのかもしれません。
私はグルーガンを持っていないので、エポキシ接着剤を使いました。養生に数時間かかりますし、ピンホールができていてもすぐにはわかりにくいので、さらに時間がかかりました。

図の青い部分はペットボトルのキャップです。写真と合わせてごらんください。
ペットボトルとペットボトルの間のキャップはスペーサーです。
アッパータンクとボトムタンクの落差を付けるためです。

半田ごてはペットボトルにストローを通す穴を開けるために使うので樹脂で汚れるから、使わなくなった半田ごてがいいと思います。
穴の開け方は、ストローがぎりぎり通るくらいの大きさにし、あまりスカスカに大きく開けないでください。
ヘロンの噴水は「気密」が大切で、ストローとペットボトルの穴の間が接着剤で完全に塞がっていることが必要なんです。
だから、ホットメルト接着剤のほうがすぐに固まるので隙間なく埋めるのに適していると思います。

画像3


最初に、ボトムタンクにファウンテンカップから水を注ぎ入れます。
早く入れるのならボトムタンクのペットボトルのキャップを外して水道から水を注げばいいです。
キャップはいずれにしてもしっかり閉めてください。
その後に、ボトムタンクからアッパータンクにピンクのストローを通じて水を移します。
キャップの方を下にして「装置」を90°倒しますと、両ボトルの水位が等しくなるまで水が移動します。さらに、ピンクのストローのボトム側の入り口が空中に出ないようにして傾けていけば、アッパータンクに水が移っていきます。
この場合も、ペットボトルですから、アッパータンクのキャップを外して直接水道から注ぎ入れてもいいでしょう。
長々と説明しましたが、アッパータンクに水が満たされていれば、ボトムタンクは空でもいいのです。
装置を元通りに静置して、「むかえ水」をファウンテンカップに注いでみてください。

動画を上げておきます。

https://youtu.be/u4xrsmNNTcI

黄色のストローから水が噴き出しました。
黄色のストロー(ノズルと言います)の口径をもっと絞ってやれば、長く噴水が楽しめます。
やってみるとわかりますが、永久機関ではありません。じきに止まります。
この世に永久機関などないのですから、当然です。

ヘロンの噴水の原理はなんでしょうか?
よく「大気圧では?」と答える人がいます。サイフォンではそうでしたが、ヘロンの噴水はそうではありません。
じっくり観察するとわかりますが、これは水の位置のエネルギーで噴水が出ているのです。
アッパータンクに最初に水を満たしたのは、位置のエネルギーを蓄えるためでした。
だとすれば、スペーサーのキャップをもっと入れたら、もっと噴水が高く上がるのではないでしょうかね。
アッパータンクの水がボトムタンクに落ち込むエネルギーが噴水となっているのです。
そのときに、ピンクのストローは何をしているのでしょうか?

ボトムタンクに水が溜まっていくと、その分、空気がピンク色のストローを通じて押し出され、アッパータンクの中に入っていき、その空気がアッパータンクの水を圧します。
もう、おわかりですね。
「むかえ水」は最初の位置エネルギーを与えるためにもっとも高いファウンテンカップから注ぐのです。
位置のエネルギーが消費されたら、ヘロンの噴水は止まってしまいます。

良い時間が過ごせました。一人は楽しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?