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欧州・イスラエルスタートアップ関連ニュース

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#市場調査

投資会社Plural、欧州スタートアップ企業を支援する4億3600万ドルのファンドを設立

CNBCによると、ベンチャーキャピタルのPluralは、4億ユーロのファンドを立ち上げ、前回の資金調達から1年半で設立された。同社の創業者にはWiseとSkypeの共同創業者がおり、創業者主導のアプローチでヨーロッパの起業家支援を重視している。27件の投資を行い、新ファンドではAIや気候・エネルギーなどに投資を予定。欧州のスタートアップ企業の活動を後押しし、資金調達の不足に対処する見込みだ。 ベンチャーキャピタルのPlural(プルーラル)が、ヨーロッパのテクノロジーとAI

Fabrice Do Rego(ファブリス・ド・レゴ)氏、欧州ベンチャーキャピタルの変化を語る

欧州の黒人VC,PEは3%だというデータもある中で、Fabrice Do Rego(ファブリス・ド・レゴ)氏は欧州のVC共同設立者である。彼へのインタビュー記事を紹介する。 同氏のVCは、ヘルステックと気候変動・脱炭素化関連の分野に積極的なアプローチを取っているが、セクターを問わずに投資をしている。黒人ファンドマネージャーゆえのファンド調達の難しさやバイアスもあるが、ネットワーク構築を着実に進めているという。同氏は、欧州VCの展望や新興ファンドマネージャーへのアドバイスも語っ

なぜヨーロッパのVCには元創業者が少ないのか?

オペレーターVCは、元新興企業の創業者が主導する投資家であり、米国では一般的だが欧州では少ない。その中でも、ロンドンのオペレーターVC会社Pluralは過去2番目の規模のファンドを調達した。オペレーターVCは起業成功の経験から投資先企業に価値を提供しやすいが、成功を収めていない創業者は成績が悪いというデメリットもある。筆者はオペレーターVCとその他VCとを比較することよりも多様性が重要であると主張している。 2週間前、ロンドンを拠点とするVC会社Plural(プルーラル)が

Adams Street (アダムス・ストリート)、欧州ベンチャーに「倍返し」-世界最大級のファンド・オブ・ファンズが欧州のベンチャーに注目

世界最大のファンド・オブ・ファンズの一つAdams Street Partners(アダムス・ストリート・パートナーズ)は、他のLPがベンチャー投資から離れようとしている中、欧州のベンチャー投資を倍増させる意向であることを明らかにした。同社は、ヨーロッパのベンチャーに15億ドル以上を50のファンドに投資しており、特にIndex Ventures、Highland Capitalなど20社以上のアドバイザリーボードに名を連ねている。アダムス・ストリートは、主には老舗のファンドマ

欧州、DataSnipperのシリーズBで2024年最初の10億ドルスタートアップ企業を迎える

2024年、欧州のユニコーン第一号は、監査と財務の専門家のための自動化プラットフォームであるDateSnipperだ。以下はこのことに関するPitchBook社のニュースである。 2023年の欧州でのユニコーン誕生数は過去5年で最悪だったが、今年はVCが過去数年間に蓄積された大量のドライパウダーを使うプレッシャーを感じているため、欧州でのユニコーン数も増加するかもしれない。 監査と財務の専門家のための自動化プラットフォームであるDataSnipper(データスニッパー)は、

トラベルテックファンド、5,000万ユーロを目標に欧州のスタートアップ企業に投資

ヨーロッパのトラベルテックにスポットライトを当てる投資会社TravelTech.vcについての記事である。 同社は、Booking.com、Expedia、Google、Metaなどの大手オンライン旅行ブランドで経験を積んだベテランによる「Travel Tech 2(TT2)」を立ち上げた。ファンドの目標は5000万ユーロで、アーリーステージの企業に投資予定だ。同社は今後12~18ヶ月が、ヨーロッパを拠点とするトラベルテック・スタートアップに投資する絶好のタイミングだと考えて

Expansion Ventures、EIFからの6,000万ドルの出資を軸に1億ドルの第1回クロージング事業開始へ

EUにおける新宇宙関連企業のニュースである。 ExpansionVenturesは欧州の新宇宙と新空間モビリティに特化したベンチャーキャピタルで、ファンドの初回クロージングを発表し、1億ドルを調達した。パリとストックホルム拠点の経験豊富な起業家によって設立され、EIFと欧州宇宙産業イニシアチブCASSINIからのサポートを受け、欧州の宇宙技術分野に投資している。目標額は3億ドルで、アーリーステージからシリーズA、Bまで40社に投資予定。EIFの支援により、欧州の新宇宙企業の成

バルト諸国のベンチャーキャピタルは、資産クラスとしてようやく台頭しつつある

2023年の世界的なスタートアップ投資の減少にもかかわらず、バルト海のテック・エコシステムは強さと回復力を再び示しているようだ。 バルト地域のVCであるPractica Capitalが立ち上げた3度目の大規模ファンドは、欧州投資基金や地元の成功企業をリミテッド・パートナーとして獲得し、クローズした。このファンドは、バルト三国のアーリーステージ投資の基盤を強化し、この地域のハイテク起業家を支援することが期待されている。バルト海のテック業界に対する投資家の信頼を高める出来事であ

EUのスタートアップ企業はチャンスに満ちている-問題は、どこに目を向けるかだ。

この記事では、不況の中で欧州のスタートアップ企業の可能性を引き出すための方法が検討されている。 現在の欧州では、資金調達の減少や外国からの買収も進行中で、人材の流出が懸念される。欧州はリスク回避の文化により資金調達の不足があり、米国などと比べて劣勢である。そこで、スペインのテック会社の共同創設者である筆者は、支援ネットワークやアクセラレータープログラムの強化が必要であり、スタートアップ企業が成功するためには、持続可能なビジネスモデルと環境への配慮が重要と主張している。 欧州

今後10年の成長はどこから来るのか?Future 50を地理的に深堀りする

フォーチュン誌とBoston Consulting Groupが共同開発した、世界最大の上場企業を評価した「Future 50」ランキングを考察する記事を紹介する。 2024年は地政学的不安定や経済変化が予想される中、米国と中国、特に、米国西海岸と中国東海岸が活気のあるホットスポットとして浮上している。産業セクターでは、ITおよび通信サービス企業が大半を占めており、米国やカナダではその比率が高い一方、アジア太平洋地域では消費者関連企業や工業関連企業が台頭している。欧州は活力面

市場参入のジレンマ:首都と第2級都市、どちらに行くべきか?

この記事は、ヨーロッパの新市場への参入に際して、首都と第2級都市のどちらが有利かを判断するためのポイントを提供している。競合他社との競争環境、人材アクセスの迅速さ、第三者サポートの評価、資本コストと運営コストの4点から検討がなされている。競合が少なく、人材へのアクセスが容易で、地方自治体の貿易・投資促進部門サポートが存在し、コストが低い第2級都市は、首都よりも有利な市場である可能性が示唆されている。 ロンドン対リバプール、パリ対リヨン、ベルリン対ハンブルクのどちらかを選ぶと

欧州のテクノロジースタートアップは順調だ-減速?その減速とは?

ヨーロッパのスタートアップ企業は現在、経済的な苦境に直面しているが、大規模テックイベントSlushの開催に見られるように、創業者と投資家が熱気を感じている。欧州のスタートアップ企業の評価や投資額は減少しているが、長期的な視点ではアメリカよりも頑健であることが示されている。ヨーロッパでは気候変動関連の企業への投資が増加しており、成熟したハイテク企業が急速に増加している。しかし、欧州のスタートアップ企業の成長を阻害する主な障害は、EU内の税金や規制の違いにある。欧州のハイテク産業

パリのAIスタートアップNabla、シリーズBで2,400万ドルを調達し米国での事業拡大を後押し-医師向けにAIアシスタントを提供する同社は、米国での事業を倍増させたい考えだ。

パリを拠点とする新興企業Nablaは、医師向けのAIアシスタントツールを提供しており、米国での事業拡大のため、Cathay Innovation(キャセイ・イノベーション)が主導するシリーズBラウンドで2,400万ドルを調達した。これにはフランスの投資家Rodolphe Saadé(ロドルフ・サーデ)が設立したZeboz Ventures(ゼボックス・ベンチャーズ)も参加している。同社は既にKaiser Permanente( カイザー・パーマネント ) と提携し、北カリフォ

米国のベンチャーキャピタルによる資金調達が6年ぶりの低水準に-2023年には前年比60%減となり、資金提供者とそれに依存する新興企業に暗いシグナルを送る

2023年の米国のベンチャー・キャピタルの動向についての記事を紹介する。米国VCの資金調達額は6年ぶりの低水準である670億ドルに減少した。世界全体でも2015年以来最低水準のベンチャー投資額となった。資金不足に耐えてきた新興企業にはさらなるプレッシャーがかかっている。VCはバリュエーションの低下と市場の不確実性から新たな資金調達に慎重な姿勢を示している。また、VCのリミテッド・パートナーもハイテク投資に慎重になり、資金調達環境が厳しさを増している。これにより新興企業のエグジ