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欧州・イスラエルスタートアップ関連ニュース

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最新のヨーロッパやイスラエルのスタートアップエコシステムに関連する情報を発信しています。
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2023年9月の記事一覧

欧州のテックセクターの技術職の女性が男性と比べて3年の「経験格差」があるとされる理由

ヨーロッパでもテックセクターでは女性が少ないようです。その研究内容と実際に各種新しい取り組みを行っている企業の紹介の記事です。 早期教育からベンチャーキャピタル投資まで、欧州のテックセクターにおける男女格差のシステム的問題、そして経験格差と「リーキーパイプライン(leaky pipeline)」効果を検証する。 ヨーロッパでは、女性のテック分野への参加不足は早くから始まっている。ユニセフの報告書によれば、この問題は幼少期から始まっており、女子と男子が異なる社会教育を受ける

2023年に気候変動技術に資金を提供する方法

足下の難しい状況での資金調達方法について、Lower Carbon CapitalのPartnerが語った記事です。Climate Techに限らず、資金調達が難しい状況でのDeeptech企業には共通する話かと思います。 クレア・コルスター博士が、2023年に気候変動技術に資金を提供するための秘訣を語る。 昨日、クリス・サッカが共同設立したベンチャーキャピタル、ローワー・カーボン・キャピタルのパートナーで科学部門責任者のクレア・コルスター博士と話をした。ロウアーカーボン

新興企業は海外に資金を求めるべきか? - あるVenture Capitalistの見解

日本国内でもスタートアップの海外進出の議論が出ますが、Venture Capitalistが自身の意見を載せている記事がありましたので共有します。 VCのプロフェッショナルとして、またスタートアップのメンターとして、私が創業者から繰り返し受ける質問は、海外に資金を求めるべきかどうかということだ。この決断を下すために必要不可欠な考慮事項をいくつか紹介しよう。 長所と短所を考慮する創業者の中には、トレンディな場所、ニュースになっている場所、スタートアップの評価が高い場所の魅力

ベルリンを拠点とする欧州のグリーンエネルギー移行を推進するオストロム社、シュナイダーエレクトリックから750万ユーロを追加調達

シュナイダーエレクトリックのVC部隊、SEベンチャーズがドイツのスマートエネルギースタートアップに出資の記事です。 2022年12月に930万ユーロのシリーズAを完了したオストロムは、シュナイダーエレクトリックが支援するシリコンバレーのベンチャーファンド、SEベンチャーズが主導する投資ラウンドで750万ユーロを追加調達した。既存の投資家であるUnion Square Ventures、Adjacent、J12、Übermorgenもこの資金調達に参加し、シリーズAは1680

英国および欧州で最も資金調達のうまいドライバーレス自動車新興企業となる、Conigital社が5億ポンドのシリーズA+を獲得

ドライバーレス(無人運転)車の話はあまりホットでは無いと思っていましたが、イギリスから資金調達のニュースがありました。 Conigital社は、産業用・商業用フリート向けにドライバーレス車両を改造・特注製造している。 英国の先駆的なドライバーレス車両企業であるConigital社は、本日、シリーズA+で5億ポンドの資金を確保したことを発表した。 同社は、あらゆる車種に対応するフルスタックの「リフト・アンド・シフト」無人運転車プラットフォームConICAV™を開発している

ドイツのスタートアップ戦略:施策の45%を実施済みと同国経済省が発表

ドイツ政府のスタートアップ戦略についての記事がありましたので共有します。 ドイツ政府は、2022年7月に承認されたスタートアップ戦略に含まれるスタートアップ促進策の45%を実施したと、経済省が火曜日に発表した。 すでに実施されたものを除けば、約半数の施策について具体的かつ実質的な準備が進んでいるが、4%はまだ適切に対処されていないと、政府のスタートアップ担当委員であるアンナ・クリストマン氏は述べた。 クリストマンは、新興企業は経済再生の中心であると付け加えた。ドイツでは

持続可能性/サステナビリティに特化した英国の衛星スタートアップ、Open Cosmosが5,000万ドルを調達

このスタートアップの設立からの背景や狙いも興味深いですが、宇宙産業のスタートアップの資金調達が増えているのが、単純にValuation等の問題で時期を遅らせていて、今になっているというのは、さもありなんと思いました。では、以下、記事の紹介です。 人工衛星は、世界中の特定の場所に通信を届けたり、データを受信したりするための重要な手段(時には唯一の手段)として注目されている。 英国のスタートアップ企業Open Cosmosは、「持続可能な」地球低軌道衛星と、衛星を通じて収集さ

欧州最大のグリーン・スチール・プラント向けに、H2 グリーン・スチール社が約15億ユーロの資金調達を成功

化石燃料を使用しないエネルギーで製造されたグリーン水素を燃料とする世界最大級の電解プラントを建設し、従来の方法と比較してCO₂排出量を最大95%削減するグリーン・スチール製造方法を特長とするH2グリーン・スチール社の大型資金調達記事です。 H2グリーン・スチールは、約15億ユーロのエクイティ資金調達に成功し、この年ヨーロッパ最大の第三者割当増資となった。 この重要な成果は、アルトール、GIC、Hy24、ジャスト・クライメイトを中心とする素晴らしい投資家グループの揺るぎない

欧州に特化したフランスのスペーステックのベンチャーファンドKaristaにフランスの通信衛星運営企業であるEutelsatが出資

欧州でのスペーステックへの出資はいくつか目につく程になってきました。今回は世界3位の通信衛星運営企業であるEutelsatがフランスのSpaceTech専業Venture CapitalであるKaristaに出資したというニュースです。 ユーテルサットは、フランスのベンチャーキャピタルKaristaのスペーステックファンドに投資し、ヨーロッパ全域の新興企業との関係を強化すると9月5日に衛星通信事業者であるEutelsatが発表した。 2年前に設立されたこのファンドは、これ

世界No.1の完全栄養食ブランドの裏側 - Huel、植物性食品小売業者の台頭 あなたが知らない、世界最高のブランドとあまり知られていないブランドの物語です。

日本語でも販売されています、Huelについて記事がありましたので紹介いたします。 「栄養と利便性の魔法の組み合わせです」と、Huel社の最高経営責任者(CEO)ジェームズ・マクマスター氏は、昨年1億4,000万ポンドの売上を達成し、映画スター、イドリス・エルバを投資家に迎えて英国内外で急成長を遂げた植物性食品会社について語る。 しかし、同社の成功は、オンライン・フォーラムで自らを『Hueligan』と名乗った初期の消費者を思い起こさせる。「それは野火のように広がった」とマ

欧州のunderrepresentedな創業者が率いるアーリーステージのスタートアップが対象のアンコンベンショナル・ベンチャーズ、3,000万ユーロのファンドクローズ間近

社会の中で強くない立ち位置の創業者を投資対象とするファンドの記事です。 コペンハーゲンを拠点とするベンチャーキャピタル、アンコンベンショナル・ベンチャーズ(UV)は、欧州のunderrepresented(=過小評価されがち)な創業者が率いるアーリーステージの新興企業への投資に重点を置き、3,000万ユーロを目標とするファンドの2回目のクローズを発表した。 アンコンベンショナル・ベンチャーズは、クライメート(気候変動)テック、ヘルステック、エドテック、フィンテックの各分野

気候変動関連技術投資に新たな風を吹き込むベルリンを拠点とするWorld Fundが5,000万ユーロを調達

ベルリンベースの気候変動関連技術への新たな資金注入の案内です。しかし、本文最後にあるようにまだまだ必要な金額は足りていないというのが現状で、それはまだこの市場のUpsideがあるということとも言えますし、前回のクリーンテックバブルのように終わってしまう可能性もあるとも言えるかと思います。 欧州有数の気候変動テックVCであるWorld Fundは、機関投資家LPからさらに5,000万ユーロ以上を調達した。ここ数カ月で新たに確保した投資家には、世界最大の国家開発銀行の投資部門で

数兆ドルの資金ギャップを埋める欧州の取り組み提案

欧州もイスラエルと同様に域内の資金調達だけでなく、外の資金調達を進めないと一歩上には進めない認識があるようですが、一方で、足下の資金調達の厳しさを考えると、もっとできることがあるのではないか、という論調の記事を紹介します。日本でも同様の議論はなされるようになって結構経ちますが、規制緩和は非常に重要だと、アメリカの事例を見ると思います。 過去1年半の間に、欧州連合(EU)内の各国経済のかなりの部分が困難に直面した。そのため、欧州経済における将来の価値創造と、欧州大陸の繁栄を守

カブトムシに「バイオインスパイアされた」代替二酸化チタンを開発 - インポッシブル・マテリアルズが380万ドルを調達

本日は私もご支援している先のご紹介をさせていただきます。記事自体は少し前のものですが、カブトムシの研究者とセルロースの研究者が出会い、ヨーロッパでは食品への使用が禁止された二酸化チタン(TiO2)の代替品を開発しているという非常に興味深い会社です。ご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、当方までお問い合わせください。 スイスの新興企業インポッシブル・マテリアルズは、同社初の製品であり、最近EUで食品への使用が禁止された白色顔料である二酸化チタン(TiO2)の代替品であるセ