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2022年度火の鳥NIPPONメンバー その1(OH編①)

こんにちは。ぱんだ(https://twitter.com/vball_panda)です。

先日(5/6)記者会見で女子日本代表の第2次合宿メンバー23人が発表され、代表活動が本格的に始動しました。
人選についてはいろいろと思うこともありますが、それはまた追々。
基本的には、この中からネーションズリーグ(VNL)・世界選手権の派遣メンバーが選抜されることになります。

本記事では、今年度の合宿参加メンバー23人について、私の知り得る限りの情報をまとめてみたいと思います。

(できれば一気に投稿しようと思っていましたが、一人目の時点で1700文字を突破したため、何回かに分けて投稿します)


アウトサイドヒッター(OH)/オポジット(OP)


#3(C) 古賀紗理那

1996/5/21生(25歳) 佐賀県出身
身長180cm・最高到達点305cm
熊本信愛女学院高校→NECレッドロケッツ
コートネーム:サリナ

【代表歴】
シニア代表:2013年~
*四大大会出場歴:五輪1回(2021)・世界バレー1回(2018)・ワールドカップ2回(2015、2019)・グラチャン1回(2017)
U-23代表:2013年
ユース代表:2012年

【国際大会受賞歴】
シニア:アジアクラブ選手権MVP(2016年)
U-23:世界U-23選手権ベストアウトサイドヒッター(2013年)
ユース:アジアユース選手権MVP・ベストスコアラー(2012年)

【国内大会受賞歴】
高校:春高ベスト6(2013年)
     インターハイベスト6(2013年、2014年)
Vリーグ:MVP(2016/17)
      ベスト6(2016/17、2020/21)
     最優秀新人賞(2015/16)

【今季の成績】
総得点:449点(11位)
アタック決定率:39.5%(21位)
アタック決定本数/set:3.73(10位)
ブロック決定本数/set:0.36(18位)
サーブ効果率:9.9%(18位)
サーブレシーブ成功率:58.2%(21位)

日本代表の絶対的エース。
今年度から主将を務めるにあたり、尊敬する木村沙織さんの背番号である#3を引き継いだ。

2015年WCで鮮烈な代表デビューを果たし、2016年の五輪最終予選にも出場。「木村2世」として五輪代表入り有力と言われていたが、まさかの落選。その際、木村さんに「紗理那は埋もれちゃダメだよ」と言われたというエピソードはあまりに有名。

次の中田JAPANでは主力選手として活躍し、2017年グラチャン、2018年世界バレー、2019年WCと主要大会には常に名を連ねる。しかし、慢性的な疲労などの影響からWCでは控えに回ることが多く、なかなか本領を発揮できなかった。

転機となったのは2020年。大会の中止、五輪延期などが幸いして久しぶりに良いコンディションで開幕を迎えられた古賀は、水を得た魚のごとく大活躍。総得点3位(日本人トップ)、アタック決定率10位(日本人OH2位)、サーブレシーブ成功率5位(日本人OH2位)などの好成績を残し、自身2度目となるベスト6に選出される。
その勢いのまま代表シーズンでも、不動のスタメンとしてVNLの快進撃に貢献し、大いに存在感を示した。

満を持して迎えた東京五輪。
古賀は初戦のケニア戦で右足首を負傷し、戦線離脱を余儀なくされる。バレーの神はなんと残酷なのか…
不屈の精神で大会中に復帰を果たし、大一番の韓国戦・ドミニカ戦はスタメンで出場。両試合で最多得点、獅子奮迅の活躍も結果は予選敗退。失意のまま所属チームに戻った。

2021/22シーズン、五輪での負傷の影響から序盤は様子を見ながらの試合復帰となったが、中盤にかけてギアを上げていき、終盤にはチームの中心選手としてコートに立ち続けた。
数字的には昨季と比較してやや劣るが、「ここ一番」ではやはり古賀がスパイクを決める場面が多く、格の違いを見せつける場面が多いように感じる。
また、試合中はチームメイトの山田二千華・曽我啓菜選手などに頻繁に声をかけ、精神的支柱としての役割も担った。

代表9年目、初の主将として迎える今年。
日本バレー界に名を残す選手として、「古賀紗理那」の活躍に期待したい。


#2 内瀬戸真実

1991/10/25生(30歳) 宮崎県出身
身長172cm・最高到達点293cm
延岡学園高校→鹿屋体育大学→日立リヴァーレ→Hermaea olbia(イタリア)→トヨタ車体クインシーズ→埼玉上尾メディックス
コートネーム:マミ

【代表歴】
シニア代表:2014年~2019年、2021年~
*四大大会出場歴:世界バレー1回(2018)・
 ワールドカップ1回(2015)・グラチャン1回(2017)

【国内大会受賞歴】
大学:インカレスパイク賞・ブロック賞・レシーブ賞(2013年)
黒鷲旗:若鷲賞(2014年)
    敢闘賞・ベスト6(2017年)
Vリーグ:ニューヒロイン賞(2013/14)
      
【今季の成績】
総得点:466点(9位)
アタック決定率:35.4%(37位)
アタック決定本数/set:3.34(16位)
ブロック決定本数/set:0.26(28位)
サーブ効果率:3.4%(69位)
サーブレシーブ成功率:65.5%(5位)

長いキャリアの中で数多のチームを渡り歩いた、職人タイプのOH。

高校、大学とアンダーカテゴリの代表経験こそないものの、強豪校で実績を積み上げていく。
延岡学園高校では1学年上に新鍋理沙さん、鹿屋体育大学では同学年に小島(中大路)絢野さんがいた。

2014年に日立に入団、スピードとパワーを武器に内定時から活躍。
同年、日本代表に初選出され、モントルーで代表デビュー。その後もWGP、WCと順調にステップアップを果たす。Vリーグでも安定したサーブレシーブを武器に主力として活躍した。

中田JAPANでも代表に選出され、主力メンバーとして活躍。2017年グラチャンではベストレシーバーを獲得、翌年の世界バレーにも出場した。しかし、石井・黒後選手などの台頭により次第にプレー機会が減少し、2019年WCはメンバー入りを逃した。

一方で、リーグでは自身のレベルアップを求めてチームを渡り歩いた。2017年に日立を退団し、イタリア2部のHermaea olbiaに加入。翌年、トヨタ車体クインシーズでVリーグに復帰し、いずれもチームの中心選手としてプレーした。
2020年には、代表でともにプレーした冨永こよみ選手を追って、埼玉上尾メディックスに移籍した。

2020/21シーズン、キャリアハイとなる309得点、アタック決定率37.5%を記録。サーブレシーブ成功率も61.4%という高い数字を残し、負傷した吉野優理選手に代わって代表に復帰した。
翌2021/22シーズンも攻守の要として安定した活躍を見せ、代表合宿に召集された。

彼女の凄さは、OHという体力的にタフなポジションでありながら、30歳を過ぎても衰えるどころかさらに進化を続けるところ。
安定したサーブレシーブと上手さが光るアタックで、幾度もチームを救ってきた。
代表での活躍、そして同級生の石井優希選手らと切磋琢磨しながら、長く現役を続けてほしい選手の一人。


#4 石川真佑

2000/5/14生(21歳) 愛知県出身
身長174cm・最高到達点300cm
下北沢成徳高校→東レアローズ
コートネーム:マユ

【代表歴】
シニア代表:2019年~
*四大大会出場歴:五輪1回(2021)・ワールドカップ1回(2019)
ジュニア代表:2019年
ユース代表:2017年

【国際大会受賞歴】
シニア:アジア選手権MVP・ベストアウトサイドスパイカー(2019年)
ジュニア:世界ジュニア選手権MVP・2ndベストアウトサイドヒッター(2019年)

【国内大会受賞歴】
高校:春高ベスト6(2019年)
     インターハイMVP・ベスト6(2018年)
黒鷲旗:若鷲賞・ベスト6(2019年)
Vリーグ:最優秀新人賞(2019/20)

【今季の成績】
総得点:502点(8位)
アタック決定率:39.0%(23位)
アタック決定本数/set:3.73(10位)
ブロック決定本数/set:0.31(21位)
サーブ効果率:9.2%(24位)
サーブレシーブ成功率:65.2%(6位)

バレー界のメインストリームを歩み続けてきた、日本代表の若きエース。

日本のエース・石川祐希選手を兄に持ち、中学時代から常に世代のトップを走り続けてきた彼女。下北沢成徳高校でも期待に違わぬ活躍を見せ、高校三冠まであと一歩のところまで迫った。

「石川真佑」の名がバレーファン以外にも一気に知れ渡ったのは2019年。
7月に主将として日本を初の世界ジュニア優勝に導くと、8月には若手中心で臨んだアジア選手権も優勝。準決勝ではキム・ヨンギョンとの撃ち合いを制した。
勢いそのままに9月のWCに急遽招集されると、ロシア戦で鮮烈な代表デビュー。スタメン起用された韓国戦・アメリカ戦ではチーム最多得点と奮闘し、「シンデレラガール」の名をほしいままにした。
Vリーグの方でも、1年目からチームの主力選手として活躍し、新人王を獲得。翌年にはレギュラーラウンド22戦全勝という快挙を成し遂げた。

2021年の代表シーズンでは、古賀紗理那・黒後愛選手とともに不動のスタメンとして君臨し、VNLではチームを決勝ラウンド進出に導く。従来からの攻撃力だけでなく安定したサーブレシーブでもチームに貢献し、ベストレシーバーを獲得した。

そして迎えた東京五輪。
初戦で古賀選手の負傷というアクシデントに見舞われながらも、全試合スタメン出場で奮闘。セッターからの信頼も厚く、勝負所では必ずというほど彼女にトスが上がった。
しかしその信頼が仇となったか、韓国戦ではマッチポイントから4連続で託されたトス回しを完全に読まれ、痛恨の逆転負け。この敗戦で歯車が狂ったか、続くドミニカ戦でも本領を発揮できず、チームは予選敗退。初めての五輪はほろ苦な経験となった。

そして石川をさらなる試練が待ち受ける。
Vリーグ開幕直前、高校の先輩であり、代表でもともに戦った黒後愛選手の離脱。東レの浮沈は若きエースに託された。
それでも彼女は攻守にわたり奮闘。打っては日本人2番手となる502得点(アタックは440点)の活躍を見せ、守っては自身最高となるサーブレシーブ成功率65.2%を記録。昨年に続き、チームを上位進出に導いた。

早くから第一線で戦い、何度も修羅場を経験した彼女。21歳にして既に、百戦錬磨の風格すら漂う。
サーブで狙われ続けるプレッシャー、世界の高い壁と常に試練にさらされるも、その度に逆境をはねのけてきた。
今年はどんな成長が見られるのか、非常に楽しみだ。



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