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レモンライスが食べたい、、

タイルナードゥ州とアーンドラプラデーシュ州の間、プリカット湖にある島へピクニックに行った時、ホストマザーが持たせてくれたお弁当がとってもおいしかったので食べたくなってしまった。

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↑多分「プリカット湖」

「カレーの美味しい街」というテーマでやっていたテレビ番組で「南インドカレー」が何回か出てきた。それを見ていると8年前に某フィールドワークでいった南インドのことを思い出した。

約1週間、ダリットクリスチャンを支援しているローカルNGOでいろいろと学ばせてもらった。チェンナイにあるスラム街やグローバル企業による開発によって生活が破壊されてしまった現場、女性の自助グループの活動などを見ることができ貴重な体験だった。

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↑スラム街。家にはテレビもありきれいでスラム街とは思えないくらい。最後の日には路上で生活している人もみた。

ダリットとはカースト制度の外側にいて、例えば同じ集落にいるのに同じ井戸を使えないなど、ひどい差別を受けてきた(受けている)人たちで不可触民といわれる。その人たちは誇りをもって自らをダリットと呼んでいる。

その中でもキリスト教に改宗した人たちをダリットクリスチャンという。制度上、カースト制度は”無い”とされているみたいだけど、実際には”あって”差別もある。差別を受ける人たちに対して国の支援制度もあるが、クリスチャンはその制度を受けられない。

”有る”が”無い”ことになるのはどこでもあるんだなぁ

フィールドワークのなかで、2泊だったと思うけどホームステイをさせてもらった。参加者はひとりひとり別の集落に分かれて寝泊りをすることに。英語もろくにできない僕はどうなってしまうのかと思ったけど、いらぬ心配だった。

ホストファザーは毎日バイクの後ろに僕を乗せていろいろなところへ連れて行ってくれた。道路脇の小さなマーケットに連れて行ってもらい、ご飯のおかずになる魚(ハエが魚を隠すほどたかっていたけど(笑))を選ばせてもらった。

大きなホールに連れていかれて、バナナの葉の上にある料理を食べたのだけれど、そこは結婚式会場で全く知らない人の結婚を祝福した。なぜか新郎の座る席に座らされて「次はおまえだな」ってインドでもいじられた。

その家にはトイレがなく人生2回目のオープントイレも経験。連れていかれたところは線路わきの茂みで、まあそんな時に限って横を電車が通過していくよね。ホストファザーに「次に来るまでにはトイレを作っとくぞ」と言われた。もうできているかなぁ。ちなみに1回目のオープントイレはミャンマーのインレー湖でトレッキングをしていた時。その時も、そんな時にかぎって別のグループの人たちと遭遇、、、、

受け入れ先に送ったプロフィールに「食べることが大好きです」と書いたせいなのか、ホストマザーの作ってくれた料理はどれも美味しかった。

食事は、たくさんのごはんに少しのカレーをかけて手で混ぜて食べる。混ぜれば混ぜるほどおいしくなった。僕はお客さんだったからなのかおかずもたくさん。一緒に食べるのはお父さんと長男、おかずは少なめ。お母さんと娘さんは最後まで一緒に食べなかったなぁ。

滞在した集落ではほぼ全世帯が携帯を持っていた。選挙目当てで政府が配ったとか言っていた気がする。ここでも結婚式が行われていて、ろうそくで灯された儀式は幻想的だった。

フィールドワークのちょうど中日だったと思う。気分転換を兼ねて、参加者みんなと受け入れ家族の人たちとプリカット湖にある島にピクニックにいった。みんな受け入れ家族のお弁当を持参した。その時のお弁当がレモンライスだった。お母さんの料理の腕がすごかったのか、ほかの家のごはんを食べさせてもらったけどやっぱりウチのが一番おいしかった。

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↑お母さんが作ってくれたレモンライス

それが食べたくてしょうがない。でもインドは遠いし、浜松に南インド料理を食べさせてもらえるところを知らないし、コロナだし。でも最近「食べたければ作ればいい」と学んだので、さっそくパソコンをひらいてレシピを検索。

目標は2つ
①記憶の中にあるホストマザーの味になるべく近づける。
②キングフィッシャービールに合う味にする。

前回の反省をもとに、より詳しく書いてあるレシピを検索したけど、バルサミコ酢以上に知らない言葉がわんさかでてくる。「チャナダル」「ウラドダル」。これはスパイスなのか野菜なのかナンナノカ?画も浮かばないし、売っている場所もわからない。またもパニックだ。

わかる言葉だけで書かれているレシピを選んで作ってみることに。炊飯器で炊いたご飯は水が多すぎたのかべちゃべちゃに(少しね)なり出鼻をくじかれる。いまだにご飯が炊けないのかとがっかりだな。

オリーブオイルでご飯を炒めて、レモン汁とターメリック(←これは知っている)を混ぜて出来上がりという簡単なものだった。でもビールを飲みながらだったので(ということにする)、炒めている途中に半分近くのごはんを落としてしまい、慌てて手で取ったら、ご飯が熱すぎてほんのりヤケドして、、、パニックは加速していく。

無事なのか有事なのかわからないけど、レモンライスっぽいものができた。お母さんには敵わないけど、まあまあ食べられる味に。ホームステイ中はお魚のカレーが多かったので、今回はトマトとなすとイワシのカレーも作ってみた。レモンライスともビールとも相性抜群であった。

今回学んだこと・改善点
①スパイスや食材のことをもっと調べる。
②ご飯を炊くのを失敗しない。
③ビールを飲みながらやらない。いや、それはできないのでビールの量を少なくする。
④炒めて落としたものを触ると、手を痛める。
⑤キングフィッシャービールは近所に売っていないので、インドネシアのビンタンビールにしてしまった。売っているところを教えてほしい。

レモンライスを食べているといろいろ思い出してきた。インドの理容室で髪を切ったこと、帰るのを数日延長して周辺を観光したこと、ゲストハウスで申し込んだバスツアーで連れていかれた遊園地の観覧車に取り残されたこと、道の反対側から「ガンジーの何か」の建物をみさせられたこと。

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↑インドで散髪!「人気の髪形に」っていったら無口なマスターは襟足一直線にしてくれた。

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↑取り残された観覧車。

同じバスツアーでイギリスから来た女性と一緒になった。「これからインドを北上していくの。でも食事が合わなくって、、、」とすでに疲れていたあの人は無事に旅を終えられたのだろうか。「レモンライスはおいしいよ」って教えてあげればよかったな。

#へなちょこエッセイ
#レモンライス
#南インド


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