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年の湯や両の乳房のそつぽむき/大野朱香

季語〈年の湯(冬・人事)〉
乳房の句というと先ず思い浮かべるのは、やはり

おそるべき君等の乳房夏来る/西東三鬼

ですよね。
「おそるべき」と「乳房」。大胆な措辞で、若い女性たちの圧倒的な生命力が眩しく感じられます。

同じ乳房の句でも対象的なのは

ふところに乳房ある憂さ梅雨ながき/桂信子

三鬼は乳房のパワーに慄いているけれど、信子は我が乳房を疎んじている。
これは、乳房を持つものと持たざるものの違いなのかもしれません。

対して、朱香さんの乳房を見る目は、客観的です。湯に浮いている両の乳房がそっぽを向いているように感じる。自分の乳房でありながら自分のものではないような、即物的な感じがします。
自分は、未だ乳房の句を詠んだことがありません。
三鬼や信子のように内面を曝け出すのも、朱香さんのように客観的に写生するのも・・・自分にはなかなか難しいです。

おつぱいを三百並べ卒業式/松本てふこ
この句の「おつぱい」も淡々と詠まれていて、好きな句です。

梅東風に胸を晒して露天風呂/葉音

自分はまだまだ「胸」止まりです💦💦💦


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