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「かすみ草とステラ」舞台『誰よりも、高く飛べ!』感想

まず謝らせて欲しい。

きっと「「かすみ草とステラ」舞台『誰よりも、高く飛べ!』感想」というタイトルを見て当記事を開いてくれた方の多くは純粋なかすテラのファンだろうと思う。

ゆえに当記事にも真っすぐな舞台の感想やそれに根差した各メンバーの印象といった清く公正な内容を期待してくださった方がほとんどだろう。

しかし当記事はそんな「清く公正な感想ブログ」に見せかけた推しメン媚び倒しブログである。

そんなガッカリおせちも裸足で逃げ出す虚偽広告な当記事ながら、この広大なネットの海でこうして出会えたのも何かの縁。

どうか時間か興味が尽きるまで人助けだと思って俺の世迷言に付き合って欲しい。

アンタが話を聞いてくれなかったら俺の話し相手はまた自動的に「壁のシミ」一択になる。

その点についてちゃんと責任を感じながらしっかり聞いて欲しい。

なお「書き出しの時点でセンスがねぇ」と既に離脱した利口なシャバ僧以外でまだ残ってる奴らの中には、上述した「純粋なかすテラのファン」以外にも時間と劣情を持て余した俺の知り合いも3㎗くらいはいるだろう。

そんなお前らもおおよそいつも通り、イイネも感想も付けずサイレントにROMって連休明けストレスの当て擦りに取れそうな揚げ足があったらカラっと揚げてハイボールでキメようという腹だろうが、ともあれ読んでもらえなかったら文は文として体を成さないのでゆっくりしていって欲しい。

さて、最近文体を探ってる都合からか我ながらハードボイルドな書き出しになったがたまにはこんなトーンも良いだろう。

一部鼻に付く人もいるだろうが今回はこのノリで進めていければと思…石間さんきゃわいい~♡♡♡

…はっ!すまない、取り乱した。

さっきのは俺が忘れもしないTIF2023三日目、炎暑のスマイルガーデンでライブを観て「石間さん」ことかすみ草とステラ二期生の石間実咲さんを初めて認識してから定期的に出ている発作だ。

もしかすると今後も石間さんきゃわいい~♡♡♡不意に同じ発作が石間さんきゃわいい~♡♡♡出てしまうかもしれないが石間さんきゃわいい~♡♡♡ご容赦いただきたい。

スウィートタイムを超えて

さて、そろそろ初めましての人にも(はは~ん、さてはコイツふざけてやがるな?)と徐々にバレてきた頃だと思うので完全に気付かれる前にテンポよく進もう。

僕が石間さんにハマったのは上述の通りTIF2023三日目のスマイルガーデンなのだけど、理由は?と聞かれたらヲタクの10人中57人がやる「初めて見たんだけどパフォーマンスとか表情がすごい良くて…」と口が裂けても「顔です」とは言わず視線を逸らしてモジモジするやつをやらざるを得ない。

ただ経験上ホントに顔だけだったら3現場くらい通った辺りでモチベがガス欠を起こすのが一般的DDの傾向なので、その後ちょいちょい通って既に4,5現場目くらいになっても心とお肌のハリを失ってないあたり我ながら手応えを感じてこうして文字に起こしている部分はある。

ちなみにドルヲタ目線でのアイドルさんとの関係において、初めて認知されてから3現場までの期間は、一回一回の接触の新鮮味や情報量が段違いなことから致死量の「うれしい!たのしい!大好き!」がスパークする魔法のような時間だと思っていて、それを僕はアイドルヲタクにとっての『スウィートタイム』と呼んでいる。

逆に言えば、この『スウィートタイム』に当たる3現場目まででおよそそのメンバーや現場に長く通えるか(通いたいか)の見込みは立てられるし、本格的に「推しメン~♡」という確変モードに突入するかの相性問題の結果もほぼ判断できる。

そして上記の理論から「TIF→キネ倶楽→競艇場→duo」とトンチキな流れで4現場を踏んだ今、依然自分の中で迸る何かが収まらなかったので(これはいよいよ安心していいやつではないか?)という予感があり、満を持してこうしてブログに書いている。

今では毎日朝晩の自撮り供給を修行着で待ちわびる日々である。

さらには「怪獣のような口が可愛くてポケモンのホゲータに似ている」という一方的なイメージを本人に伝えたことで、逆に自分が「街でホゲータを見る度に連想で石間さんを思い出す」という一人パワーボム状態に陥っている。

なお先日は仕事終わりにホゲータのポケモンパンを買おうと店に寄るも在庫がなく、そのまま何故か意固地になってチャリで閉店間際のスーパー5店舗を回るという、本家もびっくりのセルフお使いミッションを実践したりした。どうやら順調に狂ってきている。

このまま行くと僕は現状一人も友達のいないかすテラ現場に割とデカ目のホゲータぬいぐるみを持ってきて薄っすら特典会をヒリつかせる珍妙なオジさんヲタクになってしまうので誰かやんわり釘を刺して欲しい。

と、元々レールに乗ってないが脱線したので話を戻そう。

かくして先日まで好きな理由に口が裂けても「顔です」とは言わず、視線を逸らしてモジモジするだけのヲタクだった僕だが、その後何度か特典会で本人と話して、充分に「後付けの理由」を上乗せする準備が整ったという訳だ。

そしてここまで読んでまだ「時間の無駄」という世の真理に気づいていない貴方はそろそろこう思うことだろう。

「舞台の話いつすんの?」と。

ヲタク、東日本橋で観劇

そんなこんなで僕の行動原理が「食事・睡眠・石間さん」になってから少し経った頃、かすテラが舞台演劇をやる!という発表があったので軽率に釣られて行ってきた、というのが本来冒頭で書き切りたかった事の経緯。

そこから公式の案内に従って席を予約し、迎えた参加当日。

連休初日の晴れやかな気持ちを陰らせる地味な腹痛を押して向かったのは会場である「A-Garage」がある東日本橋。

一言でいって自分にとってまるで用事のない街だったので、おそらく駅に降りたのも初めてだったのだけど、色味の無いビジネス街を見回しながら「こんな所に推しメンが?」という気持ちで地図アプリの指示通り慣れない道を進んだ。

すると古風な建物の一角に見慣れたかすテラの看板が設置されており、横に「階段で建物の地下に降りてそのまま直進ください」と案内があったので(これ最終的に俺が料理にされるやつかなぁ?)と思いながら指示通り進んだ。

するとそこには外観通りの古風な地下フロアが続いており、ちょうど突き当りに件の演劇スペース「A-Garage」があった。

なお一般的なアイドルのライブと違ってチケットはネット決済の前払い制ではなく、席だけ予約して支払いは当日入場時の現金払いということだった。

この辺のアナログさにもどこかいつものライブイベントではない「舞台演劇」という雰囲気を感じた。

そして入口で支払いを済ませると、観劇代4,000円にドリンク代も含まれているということで、その場で選んで缶のハイボールを貰った。

しかも会場に入ると無料食べ放題という案内付きでポップコーンマシンが設置してあった。

なんだこのホスピタリティは?やっぱり最終的に料理にされるのか?と思いつつ感動しながら空いていた席に座った。

比べるものではないが、別途600円とか取ってヌルいペットボトルの水しかくれないライブハウスにドロップキックしたい気持ちだった。

女は女優よ

ほどなくして定刻となり、かすテラ11人による舞台演劇『誰よりも、高く飛べ!』が開演。

僕は案内に従いスマホを切って時計もしまい、所持する光の全てを手放した。

さらにスタッフさんが手際よく出入口に暗幕を引くと、ゆっくりと照明が落ちて完全な暗闇が出来上がった。

数秒後、パッと照明が点くとそこにはOPシーンとして全キャストが勢ぞろいしたかすテラの面々が立っていた。

暗闇の中、音もなく移動しスムーズに各位置に着いたその手際の良さだけ見ても、いまから始まる演劇が遊び半分の学芸会ではないことは即座に分かった。

そして舞台全体のテーマであろうセリフ繋ぎを全員で魅せたのち、舞台本編が始まった。

…と、冒頭おおまかな流れはこんなところで、あとのストーリーは概略で伝えると「過去の栄光など見る影もない弱小女子バスケ部にある日転校生が加入し、そこからチームが少しずつ変わり始める…」というもの。

なお今回の脚本上、各人が青春を捧げる対象は「バスケ」となっているが、それを「アイドル」と置き換えるとそのままリアルな彼女たちの像に重ねて見える作りになっているように思った。

そしてストーリーの中で「バスケ」に対し憧れを持った経緯や、好きだからこそ抱える悩み、葛藤、そしてその周辺で他人に感じる嫉妬や劣等感など、総じてアイドル活動と重なる部分を残しながら各人が少しずつ人の情熱によって突き動かされていく内省的な物語が丁寧に描かれていた。

言ってしまえば脚本として大きく気を衒うような仕掛けや裏切りこそないものの、繊細な人物描写を通して一つのバスケ部が再生するまでの過程を蒼く鮮烈に表現していて引き付けられるものがあった。

もちろん舞台上におけるメンバーの発声も演劇のそれになっていて、各自の声にいま一人一人が演じているキャラクターの個性が瑞々しく乗っていたのが伝わってきた。

中でもメンバーとして特に印象に残っているのは、一期生では渡辺さんと吉川さん、二期生では本田さんと川菜さんだった。

順にいくと、渡辺さんは一人だけ生徒ではなく先生という違う立場の役で、台詞量の多さもさることながら、それぞれに色んな感情をぶつけてくる生徒たちを揺るがない余裕をもって包み込む存在としての説得力が出ていて良かったし、それは本人が普段からリーダー(生徒会長)として、代表してコメントする場でいつも前に出るなど常にグループを守る立場にあるからこそ成立したものなのだろうなと思った。

次に吉川さんは出尺こそそこまで長くないものの、ストーリーが結びに向かう上での「最後の1ピース」になるような重要な役で、あまり他の役との会話も少ない分、孤独感とそうした自分をどう変えていきたいのかという内なる情熱との対比を最低限の言動の中で見せていかなければならない点が難しい役だなと思ったが、感情の抑揚含め見事に演じていて素晴らしいなと思った。

そして二期生の本田さんはこれもまた難しい役で、他人に共感されづらいコンプレックスと自分の中でどう向き合うか、またその強さを獲得する過程を前後半の変化でどう見せるのか、という難題に体当たりで挑んでいて好感を持った。

またアイドル活動の中では決して見せない感情を振り切った姿…というか、一般的に言うパッと見「嫌な子」の顔を人前に晒すのは勇気がいるというか、仮に演劇として良くてもその後の自分の見られ方が変わってしまうんじゃないかと不安に感じそうなところだったが、そこもちゃんと乗り越えて役に全力で向き合っているのが見て取れた。

さらに役柄もそうした「嫌な子」のイメージのまま終わるのではなく、ちゃんと個人としての経緯やバックボーンを踏まえて愛せる人物像に着地させたことに演技へのひたむきさだけでなく、役への愛情も感じて良かった。

次に、同じく二期生の川菜さん。

川菜さん演じる江本加奈は、個人的には今回の舞台の中で一番難しい役だと思った。

それは冒頭含め、常にストーリー展開において「その場面で作りたい雰囲気」を先頭に立って作る作業を担っていたのが川菜さん演じる江本加奈で、おちゃらけた時と真剣な時の振れ幅が一番あったり、一見フワフワしているように見えて、どうでもいい部分と絶対に譲らない部分の境界線がはっきりしている側面をシーンごとの変化で見せなきゃいけないのは、今回の舞台の中で最も難易度が高かったんじゃないかと思ったが、そこを見事に演じ切っていたので素晴らしかった。

そんな舞台上の雰囲気の変化の中心にいることが多い役だったので、中盤以降は無意識に彼女の台詞に引き付けられたというか、各場面の温度感を測る指標として自然と気にかけてしまう独特な存在感が確立されていたのが良かった。

最後に、推しメンの石間さんについて。

石間さんが今回演じた古橋乙羽は1年生のギャルという役柄で、最初はさほどバスケに情熱がないように見えたものの、そこから少しずつ自らを誤魔化していた内面の熱量が見えてくる変化が魅力のキャラだと思った。

また特典会で本人に聞いたところ、少しずつ気持ちがバスケに本気になるにつれヘアピンなど装飾の数を減らして、外見からも内面の変化が見て取れるよう工夫したとのこと(教えてもらうまで分からんかった)

あとは地の喋り口調が割と落ち着いてる石間さんが、ギャルという役柄上、トーンもテンションもアゲ目で喋っているのは単純に石間さんきゃわいい~♡♡♡となった。

また基本的にギャルの威勢の良さって自信の無さからくる防御だったり、仲間を守ろうとする為の虚勢からくることが多いと思うのだけど、そういう人間味あふれる「揺らぎ」の部分を見事に表現できていたのでちゃんと演技として光っていたし、それが立派だったからこそ特典会で「ねぇギャルで話して~w」みたいな、いい歳こいたオジさんのダル絡みも成立するってなもんだなと思った。

と、個人単位での感想はこんなところ。

また重ね重ね全体の感想を振り返るなら、最近現場に通い出した自分はともかく、自分と同じ回で観劇されていた、これまで長くかすテラのライブを観てこられたであろうファンの人達の耳目を純粋に舞台演劇の魅力で釘付けにしていたので、普段見せてきたメンバー達とはまた違う顔や側面を見せられたという点だけでも良い舞台だったと思う。

しかも、舞台が終わって一旦軽く挨拶したあとは一期生と二期生に分かれて1曲ずつではあるがライブがあり、それが良い意味で緊張できた舞台からの解放として作用していて凄く楽しかった。

ついでに言えば僕は二期生だけのライブを生で観るのが初めてだったので、11人の中から推しメン1人だけを目で追うという視力トレーニングをせずとも割とゆったり歌い踊る石間さんを観られて更なるお得感の滝に打たれていた。

そんなこんなでミニライブ後は普段通り特典会までやってくれたので、観劇直後に感想を伝えられて良かったし、いつも通り表情が乏しくて分かりづらい感情表現ながら内心デレデレで「そっか~w」と石間さんの話を聞けて幸モスだった。

なおホントは「石間さん+個人的に演技が良かった人」でいよいよ石間さん以外のメンバーにもチェキの手を広げていこうと思っていたのだが、気づくと全ての券を石間さんチェキで消化していた。ホゲ~!

まぁそんな日もあるよね。お疲れさまっした。

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