さよならおもいでよ

"さよならおもいでよ"

画面には確かにそう表示されていた
My Hair is Badの会場BGMで、特に終演後一番に流れるのがこの曲だ。以上をもちまして、本日の公演は以上になります。そんなアナウンスと共にいつも聴いていた。

この曲を聴くと、一言で言えば切なくなる。
ギターを掻き鳴らすイントロから始まり、ギターを掻き鳴らすアウトロで終わる。たった3分50秒なのに、そこから動けなくなるほどたくさんのおもいでがまとわりついてくる。気付けば失った何かに涙がこぼれていくような。そんな感覚だ。

わすれたくないからどうか、さよならは言わないでと一人でつぶやくような。

15歳の時に出会ってからずっとわすれられず、さよならなんて言えそうになかった曲。18歳になった今、ようやくCDを買った。LOSTAGEのIn Dreamsというアルバムだ。

ずっとわすれない、わすれられないあの日がずっとこの曲と共にかがやいている。大好きな曲をもっとずっと近くで大切にしたくて、レコード盤も買った。

そもそも、おもいでとさよならなんて出来るのだろうか。嬉しくても悲しくても苦しくても何とも言えないとしてもおもいでというもの全て、振り切るには相当速く走っていかなければならないだろう。それともおもいでが時間と共に風化して、剥がれやすくなるのだろうか。この曲のイントロやアウトロでこれ以上ないほど速く走った後の息切れの感覚すらあるのだ。これが音楽の力か。

さよならおもいでよと同じくらい好きなのが、"ポケットの中で"だ。終わりつつある高校生活が切なく蘇る。この曲は全然特別じゃない普通の日に溶けて澄み渡っていくような、でも確かに生きている日々を振り返るような。すべてのことが最後にはきちんとまとまっていくような不思議さがある。

これからもたいせつにしたい
たいせつなあの日のおもいでを

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