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分からない趣味の服を買う日がやって来たヤァ!ヤァ!ヤァ!

こだぬきずのクローゼットをプチ改修し、洋服の衣替えを終えた。

実はこれまで、たぬき自身はこだぬきずの服をあまり買って来なかった。

手頃なファストファッションは夫が週末の買い出しの際に買ってくる。それに季節季節でばーちゃんズが買ってくれるから。

衣替えを終えたクローゼットは、思いのほか服がぎゅうぎゅうだった。

成長を見越して、大きめ大きめを購入するので、どんどん服が蓄積されていた。

学校から帰宅するなり、クローゼットを見て、娘こだぬきは喜んでいたが、すぐに浮かない顔をして、たぬきちのところにやってきた。

「新しい服買って欲しい。着たい服がない」と。

こんなに服はあるのに、着たい服がないという。

この気持ち、実はよくわかる。小学校時代、ボサボサのショートヘアの髪、瓶底メガネのたぬきちはこんな風貌なので、出来れば地味なボーイッシュなスタイルがしたかった。

しかし、産まれる前は「エミリ」という名前にしたかったが、生まれてきた顔は「エミリ」じゃなかったので、「たぬきち」(冗談です。本名はちゃんと女性の名前あり)にしたと語った母は、たぬきちに真っ赤な大ぶりな花柄のスカートを買って来てくれたりした。

あれから30年、夏が近づき、最近のたぬきちはフレスコ画の様な金色のシャツや、大ぶりな赤い牡丹が描かれたシャツを着ている。

職場の人には、「どこで服を買っているのか」と聞かれる。多分、「そんなんどっから見つけて来るねん!」という意図。

先日、若冲の描いた屏風をパターンにしたシャツを着た方が職場にいらした。その方はファッションデザイナーの方で、いつも奇抜なものも着こなしている。

同僚の間ではたぬきちとその方の服の趣味が同じカテゴリーに分類されている。光栄な話。

とまあ、大きく脱線したが、今なら着こなせる自信のある母が選んだ服について、当時の少女たぬきちは困惑していた。

「自分が着たい服を着たい」気持ちは痛いほどわかる。

「じゃあどんなのがいいの?」
「キャロット」
「キャロット?にんじん?」
「違う。スカートみたいやけど半ズボンのやつ」
「あーキュロットね」

そんなやり取りをしつつ、イメージを共有したいので、インターネットで検索してもらう。

ばーちゃんズにも、今後の購入指針を伝えなければならない。「すみっコぐらし買っとけば間違いない」という時代は終わってしまったのだ。

「どれも決められない~」と言いながら、娘が見ている画面には、ストリートダンサーが着るようなスポーティなスタイルや、トップスもスカートもとにかく丈の短い服が展開されていた。

「んーむ」

たぬきちが若い頃に流行ったスタイルではない。スポーツカジュアル。「これは難しいぞ」そう思った。

娘が「いいね」と思うものと、たぬきちが「いいね」と思うものの共通点を見つけなければ、購入は難しい。

それなら「娘ちゃんと一緒に買い物に行けばいいのでは?」というご指摘はごもっとも。

ただこれには1つ問題があり、娘こだぬきはモノを買うのに迷う時間が強烈に長い。

今年の誕生日、ばーちゃんとトイザらスに行った娘は午前中ずっとばーちゃんを連れ回した挙句、何も買わずに帰ってきた。

「いいのなかった」
(んなわけねーだろ!!!一体何が欲しいんだ!!!)そういうタイプ。

永遠に時間があれば、ゆっくり付き合ってあげられるが、今のたぬきちには1時間が限度。一緒に買い物に行くのは避けたい。

昨日、老眼鏡を誂えに行ったのだが、待ち時間ができたので、娘こだぬきとついでの息子こだぬきの服を物色することにした。

今までは、婦人服を扱う店舗が展開するキッズのラインナップから、たぬきちの好みで選択すればよかった。

が、しかし、今まで通りでは、また「着たいものじゃない」

そういうわけで、今回は初めて、ティーンの女の子のアパレルブランドの店舗に足を踏み入れることにした。

Tシャツの上にわざわざ網を被せたようなデザインの服。
(こんなもん、色んなとこで引っ掛け倒して、危ないわ)

肩部分に布がない7分袖
(なんで7分袖やのにわざわざ肩のとこ開けてんねんろ。暑いんか寒いんかどっちやねん)

強烈に丈の短いスカート
(こんなもんパンツ見せるために履いてるみたいなもんやないか)

思わずスカートをめくると中は、ズボンになっているスタイルだった。
(あ!キャロットだ🥕)

とりあえずライムグリーンのタータンチェックのキャロットを手に取る。トップスはどうするか。

散々、店内を見回して、丈短めの派手なワッペンがついたようなデザインのTシャツをを選んだ。

漁師網スタイルも、暑いんか寒いんかわからん7分袖にもちょっと共感出来なかった。

初めての経験により適度の緊張を受け、少しテンションの上がっていたたたぬきちは、見たところ30歳は超えているが、ハウスマヌカンとして、ティーンの服を着ている店員さんに思わず、話しかけた。

「こういう服が必要になって、急遽買いに来ました」

店員さんも思わず笑顔になったというふうに「何年生ですか?」と会話を続けてくれた。

「3年生です」
「なるほど!確かにそろそろですね」

そうか3年ってそういうステージか。店員さんのお家にも年頃のお嬢さんがいるのかもしれない。

息子には、2着買うと30%オフと書かれていたGAPで、青色のTシャツと水色のTシャツ2枚を、思惑通り30%オフでゲットした。ボーイの服は迷うほど種類がないといつも思う。

家に帰って、いそいそと服を広げ、こだぬきずらを待つたぬきちであった。

「さあ、これから大変だぞ」

"But when I get home to you
I find the things that you do
Will make me feel alright"

A Hard Day's Night
たぬきちバージョン
A Hard Daytime

It’s been a hard daytime
And I’ve been shopping like a dog
It’s been a hard daytime
I should be sleepin’ like a log

But when I get home to you
I find the things that you do
Will make me feel alright

You know I work all day
To get you money to buy you clothese

And it’s worth it just to hear you say

You’re gonna give me everything
So why on Earth should I moan?

‘Cause when I get you alone
You know I feel okay
When I’m home

Everything seems to be right
When I’m home
Feeling you holding me tight, tight, yeah

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