景気動向指数CI
こんにちは。2023年4月12日、アメリカ・労働省が3月の消費者物価指数(CPI)上昇率を前年同月比5.0%と発表し、前月の6%から1%低下したことで、インフレ鈍化を示す内容でした。今回は景気動向指数について書いてみます。
1 はじめに
日本では先週4月7日、内閣府が2月の景気動向指数(CI:Composite Index、2015年=100)の速報値が発表され、景気の基調判断を「足踏みを示している」のまま据え置きました。CI は、30系列の指標の変化率を合成して、景気変動の大きさやテンポを測定します。今、景気が良くなっているのか悪くなっているのかについて知ることができます。CIは、30系列を3つのグループに分けて紹介します。
2 先行指数
景気拡大(後退)より少し前(2〜3カ月後)に改善(悪化)する指標。
4月7日の内閣府発表によれば、先行指数は前月から1.1ポイント高い97.7で、4カ月ぶりの上昇でした。次の11の指数が、先行指数に該当します。
新規求人数
新設住宅着工床面積
実質機械受注
消費者態度指数
マネーストック
日経商品指数
東証株価指数
最終需要財在庫率指数
鉱工業用生産財在庫率指数
投資環境指数
中小企業売上げ見通しDI
3 一致指数
実際の景気と一致して動く指標。一致指数に該当するのは、次の10個です。
生産指数
所定外労働時間指数
有効求人倍率
鉱工業用生産財出荷指数
耐久消費財出荷指数
投資財出荷指数
商業販売額(小売)
商業販売額(卸売)
営業利益
輸出数量指数
4月7日の内閣府発表では、一致指数が前月比2.8ポイント上昇し、99.2でした。一致指数の10項目のうち集計済みの8項目を見ると、7項目が上昇要因となりました。一致指数が100より上昇だと景気は拡張局面、100より低下だと景気は後退局面にあると判断します。
4 遅行指数
景気拡大(後退)より数カ月から半年程度遅れて改善(悪化)する指標。
4月7日の内閣府発表では、遅行指数が前月比 1.4 ポイント下降し、7 か月ぶりの下降となりました。一致指数に該当するのは、次の9個です。
家計消費支出
法人税収入
完全失業率
きまって支給する給与
消費者物価指数
最終需要財在庫指数
第3次産業活動指数
常用雇用指数
実質法人企業設備投資
5 まとめ
景気動向指数は毎月発表されます。この指標は、国の経済動向や経済見通しの言及の際に用いられ、企業や個人においても、投資判断の一助になります。証券やFXを取り扱う会社のウェブサイトでも、指数の発表日を紹介しております。景気動向指数を学ぶことで、経済情報に敏感になると思います。
ありがとうございます。
画像は天津站前(2013年6月撮影)