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しまね旅 その1 宍道湖の夕日

立派な日本庭園で有名な足立美術館をメインに、晩秋の島根を訪ねる一泊二日の旅に行ってきました。
以前から興味のあった足立美術館には二日目の朝一番で入って、昼過ぎまでゆっくりしたいので、一日目は松江市内で過ごすことに。宍道湖の夕日を見るため、日中に松江城などを見学し、夕方、島根県立美術館の前の岸公園で日没を迎えるというスケジュールを組みました。

羽田から久しぶりの飛行機に乗って昼前に出雲空港に到着。東京は曇っていましたが、島根は小春日和で快適な陽気です。バスで松江駅へでて、レトロなカフェでシフォンケーキとオ・レ・グラッセを。ケーキも珈琲も、きちんと手をかけられた上質なもので、とても美味しかったです。
観光周遊バスの「ぐるっと松江レイクライン」に乗って松江駅を出発。まず訪れたのは、旧・山陰合同銀行北支店を大正 15 年の建設当時の面影を残しつつ改修した施設、ごうぎんカラコロ美術館です。入館無料でした!

ごうぎんカラコロ美術館

残念ながら内部の写真撮影は禁止でしたが、旧銀行らしい重厚な内装が素敵です。展示作品の中では、戦後日本を代表する彫刻家の一人、舟越保武氏のラインが美しい少年像(リンゴを手にしていて、ギリシャ神話の「パリスの審判」を思わせます)が印象に残りました。

続いての行先は松江城山公園。歳月を重ねた風格の漂う石垣を眺めながら、せっせと石段を上ります。
まずは、松江神社の隣で異彩を放っている興雲閣へ(入場無料)。

興雲閣の外観

松江市が工芸品陳列所として建てた建物で、明治36年に竣工した木造二階建ての瀟洒な洋館です。明治天皇の行在所に使う目的でつくられた(結果的に天皇の巡幸は実現せず)ため凝った装飾が多く用いられ、二階には華麗な貴顕室があります。

興雲閣の貴顕室

一階にはカフェも併設されていて、こちらで暫し休憩。

さらに階段を上って松江城天守閣に向かいます。松江城は、国宝指定された5城のうちの一つで、天守からは360度の眺望を楽しめます。明治時代初頭の廃城令によって陸軍省の所管となり、城内の建物は全て解体され売却される予定だったのが、地元有志によって天守閣だけは買い戻されて解体を免れたのだそうです。有料エリアに入った所がまさに写真スポット。堂々たる雄姿が青空に映えます。

松江城 天守閣

早速中に入りましょう。天守閣最上階の望楼に至るまでの各階には、井戸が備えられていたり、石落としや鉄砲狭間、矢狭間、武者窓があったり等々、実戦に備えて作られたことがよく分かります。
古いお城ならではの、急で一段が高い階段をえっちらおっちら上った先に、いよいよ望楼です。流石にいい眺め! 吹き抜ける風も気持ちいいです。
宍道湖を臨む南側は逆光になるため、私の腕ではいい写真は撮れず(涙)。

松江城天守閣からの眺め(北側)

足を若干ガクガクさせながらバス停まで降り、再びレイクラインに乗車して島根県立美術館へ。
館内の展望スペースをちょっと見てから、建物前に広がる親水公園、岸公園に出ました。宍道湖に沈む夕日と美術館のモダンな建築、飛び跳ねるうさぎの群像などの彫刻群との組み合わせは、ここならではの風景です。
1時間弱かけて、だんだん暮れてゆく様を楽しみました。

岸公園名物のうさぎさんたち
宍道湖に沈まんとする夕日

日没後、駆け足でコレクション展を鑑賞。西洋画から日本の洋画、日本画、浮世絵(北斎コレクションが凄い!)、陶芸、写真…と実に幅広い展示で、しかも一部作品については、作品と作者について解説したシートまで無料配布され、とても充実した内容でした。
島根県立美術館、侮るべからず!

またレイクラインのお世話になって(一日乗車券をしっかり活用)、これも元銀行のカラコロ工房前で下車。地下の金庫を見学し、ライトアップされて風情を増した外観にカメラを向けました。

ライトアップされたカラコロ美術館

夕ご飯は、地元で有名な洋食屋さん、西洋軒で。一品一品、丁寧に作られたとても美味しいザ・洋食に大満足の夜でした。

レストラン西洋軒

ホテルにチェックインし、旅の一日目は終了です。

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