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出光美術館で「仙厓のすべて」を拝見

この10月16日まで東京・有楽町の出光美術館で開催されていた「仙厓のすべて」展を鑑賞。仙厓の書画の、広くて奥深い世界を楽しんできました。

「仙厓のすべて」展チラシ

仙厓(1750~1837)は、美濃国(岐阜県)出身の禅僧で、禅画の名手として知られています。貧しい農家の生まれで、11歳の頃、地元で出家後、東輝庵(横浜市)で修行。32歳の時に行脚の旅に出、40歳で博多の聖福寺(日本最古の禅寺とされる)の住持となります。62歳で隠棲した後は、九州北部に点在する名所旧跡を訪ねたり、名だたる山を踏破したり、珍しい石や骨董の蒐集に熱中したり、更には博物学的な探究への関心も示すなど、多彩な趣味を楽しむ文化人でした。「絶筆宣言」にも関わらず後を絶たない求めに応じ、88歳で亡くなるまで、ユーモラスで自由奔放な書画を描き続けたそうです。

「禅画」は、禅宗の教義や精神を表現した絵画で、禅僧の人生観が表れるなど、意外と感覚的なもののようです。
今回展示されていた仙厓作品も、若いころのものは狩野派の影響も見られ、掛け軸に仕立てられた「釈迦三尊十六羅漢図」などは正統派のとても美しくデザイン性にも優れた一幅です。その一方、70歳を過ぎて「厓画無法」を宣言したあたりからは旧来の画法を離れ、飄逸といおうか、軽妙洒脱といおうか、まさに融通無碍で味わい深い禅画の数々を残しています。

展示作の中で、私が特に気に入っているのは「堪忍柳画賛」

「堪忍柳画賛」

「気に入らぬ風も あらふに 柳哉」
という賛文が添えられています。
何やら親近感が湧き、以前から好きな一枚です。

好きな絵 があるということは、人生を豊かにしてくれますね(^^♪

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