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演奏家の練習はした分だけ説得力を増すか?

一つのフレーズが有って

1回の練習をした演奏より100回の練習をした演奏の方が説得力は増しますよね?

この問いをピアノの先生をやっていた友達に
投げかけた。

数をこなせばやっただけ上手くなるのが当たり前だと思っていたが,ピアノの先生をやっていた彼は意外な,しかし興味深い話をした。

ジミ・ヘンドリックスのVoodoo Childで例えると,ジミ・ヘンドリックスはあのイントロを演奏する為にそんなに練習はしてないと思いますが,ジミヘンが27歳と言う若さで死んで54年も経つのに,

ジミヘンの生きた27年より沢山の年月をかけて彼のフレーズを練習した人が沢山居ると
思いますが,未だにジミヘン本人より説得力の
有るギタリストが現れないのは何故ですか?

確かに数をこなせば上手くなります,ジミヘンより上手いギタリストは沢山います,今は。
でも上手い演奏が説得力のある演奏とは限らないんです,上手くなる事で演奏がつまらなくなる事もあるんです,ただ上手いだけの演奏…聞いた事ありませんか?

音の説得力は演者の持って生まれた資質で
決まるんです,又は演奏家が生まれて来て色々な事が…辛い事が起こったりトラブルや…に対してどう対処して何を思ったか,

そこからその人なりの哲学が生まれるんです。

練習した上手いは,その人の持っている哲学を
映し出すツールなんです。

音を言葉に変えて説明すると

“世界は美しい。”

この言葉を10歳の子供と,沢山人を騙したり裏切って来たクソヤロウが言った場合

リスナーはどちらを信じますか?

この話は岡本太郎の哲学にも通じますが敢えて練習イコール実力だとして

散々酷い目に有ってそれでもポジティブなマインドを持ち続け

“世界は美しい”

そう言い続けたら,そこには説得力が有りますよ。

でもその言葉を言えるのは,その人の資質なんです,やっぱり最初からその人は凄いんです。

だから練習した時間だけ良い演奏が出来る様になるとは限らないんです。

ジミ・ヘンドリックスに限らず,世界的なミュージシャンは持って生まれた人を惹きつける魅力がどこかに備わっていたんです。

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