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ゲームセクターの決算分析(2024年3月期 通期)

ゲームの各社考察

ゲームセクターは再編が進んでおり、有力企業は限られます。ハードを展開する任天堂、ソニーを除き、ソフトウェア開発企業に焦点を当てて、分析しました。
大手5社の中でも注目すべきは、営業利益率の高いコナミ、カプコン、コーエーです。
ゲーム企業は、ヒット作が出るか出ないかにより業績が大きく左右されるため、予想が難しいですが、ある程度ヒットが期待できるシリーズ作があるかないかで選別します。

2024年3月期の決算
  1.  カプコン:営業利益率はトップの37%、ゲーム事業に限れば、なんと営業利益率50%もあります。そのため、時価総額は1.5兆円もあり、売り上げが倍以上あるコナミに匹敵します。ヒット作も多数あり、これからも代表作のシリーズ作品は人気がでそうなため、株価が割安になれば、投資対象として魅力があります。

  2.  コーエー:ゲームの事業比率が90%以上あり、ほとんどゲームの会社です。あと、特出すべき特徴として、襟川会長の金融市場での運用益があります。経常利益で100億円以上押し上げている要因です。ゲームの不振を運用でカバーしている面もありますが、ゲーム自体の営業利益率も35%なので立派です。株価はピークの半値水準のため、PERも低く、配当利回りも3%を超えるため投資対象として魅力があります。筆者は、個人的に信長の野望、三國志をプレイするため、歴史シミュレーションとしてはトップ企業であり、期待している企業ですが、作品が万人受けしないと思われるため、業績の拡大は新規タイトルによるかもしれません。

  3.  コナミ:スポーツゲームが主力であるため、世界で通用するタイトルを保有するのが魅力です。ゲーム事業の営業利益率は30%を超え、全体の営業利益の9割を占めることから他の事業に比べて利益率はダントツで高い主力事業です。

  4.  バンダイナムコ:ゲーム事業比率は低く、利益率も低迷しています。しかし、ガンダムなどのIPによる事業価値が高いため、ゲーム事業以外での期待が大きい企業です。

  5.  スクウェアエニックス:ファイナルファンタジー、ドラゴンクエストというヒットシリーズがありますが、筆者はもうプレイしないので、よく分かりません。業績はイマイチです。そのため、事業規模が同等のコナミの時価総額の1/3水準で、事業規模が1/4水準のコーエーが背中に見える時価総額となっています。


営業利益率とPER、PSRの関係をプロットしてみました。PSRの相関はありそうで、バンダイナムコ、スクウェアエニックスには投資の魅力は感じません。コーエーの反転を期待したいところですが、コーエーはプライム上場基準を満たしていないことが起因して株価が冴えない可能性もありますので、今後の対応にも注目です。

営業利益率- PERの相関
営業利益率- PSRの相関

#投資 #新NISA #株 #資産運用

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