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レスパイト

医療的ケア児者とレスパイト施設

医療的ケアが必要な方々は、吸引や食事の注入、呼吸器管理…などなど、生活の中で専門的にサポートが必要になります。

そのサポートを身近な支援者である家族が担うことが多いです。
家族は、医ケア児者を中心に生活を送っていることも多いですが、家族にもその人にとって大切な事柄が育児以外にも沢山あります。
また、緊急のイベントが起き、医ケア児者をサポートすることが一時的に困難になる場合も少なくありません。

では、このような事態になった場合、一体、医ケア児者の方々はどうしたらよいのでしょうか?


レスパイト施設の現状と課題

このような事情がある時に、短時間の支援(付き添い等)や短期間の宿泊(入院)を利用できるのが、レスパイト事業があります。
レスパイト事業とは、家族などの主な介護者が被介護者を一時的に在宅介護を行うことが困難になった場合、医療機関をはじめとした施設や事業所に預け、介護者の負担軽減を図る事業を指します。

レスパイト事業を担っている様々な施設や事業所があります。
・医療機関
・福祉施設
・訪問看護事業所
などなど。

レスパイト施設や事業所を利用するには、各施設や事業所、また行政ごとに基準があります。
医療的ケア児者の場合、ケア内容が高度な場合もあり、お試し宿泊などをしてから本利用が開始となる場合があります。

また、申し込んですぐに宿泊利用できるわけではなく、他の利用希望者も多数いるため、宿泊までに日数を要する場合もあります。

さらに、お住いに地域に、どこにでも医療的ケア児者の支援・介護に対応できる施設や事業所があるわけではありません。

なぜなら、上記にも述べましたが、人工呼吸器を含めた呼吸器管理、胃ろうや経鼻管栄養などの食事の注入、その他のコミュニケ0-ションなども含めたケアなど、医療的ケアに対応できるスタッフ(の経験と技術)や設備か必要になるため、利用できる資源が充実しているわけではありません。 


必要な時に備えてできること

このような課題があるのは事実ですが、それでも利用することで医療的ケアが必要な当事者の方々やその家族にとっての不安や悩みが軽減、解消されると思われます。
また、レスパイト施設・事業所をすぐに利用はしなくても、情報として知っておくだけでも、いざという時に備えておけるので大事なことです。

まずは、お住いの地域にどのようなレスパイト施設や事業所があるかを行政(例えば、市役所の障がい福祉課やホームページ)や専門機関、都道府県に設置されている医療的ケア児等支援センター(令和4年時点でまだ設置されていない都道府県もあります)にお問い合わせしてみるとよいかもしれません。

医療的ケア児者やその家族がいつまでも安心して地域で暮らしていけるために、レスパイト事業を一つの手段として知っておいて頂けますと幸いです。


医療的ケア児者の支援を考える会
運営:よしだなおき(作業療法士)

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