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check raise の すゝめ

割引あり

本記事は初心者~中上級者に向けて、check raise について解説する記事である。
中級者以上の方は、2章から読み進めてくださって構いません。

GTO wizard のソリューションを使用して check raise に関して下記の4つを順に解説・考察する。

・目的
・適正頻度
・ボードと raise頻度の関係
・実践例

筆者:りおん(https://twitter.com/rion_poker_sss
(Twitter(X)アカウント)


GTO wizardの設定

NL50 GTO GTO General


第1章 check raise の 目的

本章の目的 : check raise の利益の源泉について再認識する

バリュー側、ブラフ側の二つに分類して、
それぞれの目的についてまとめる。

バリュー
・POT sizeを大きくして最大バリューをとる
 
ブラフ
・相手のハイカード等をおろして、POT を獲得する
・Turn, Riverでのブラフにより、POT を獲得する

簡潔に表現すると、上記のような理由がある。


次に、バリューハンドとブラフハンドの性質について説明する。

・バリューハンドの選定

バリューハンドのプレイは簡単と思われがちではないだろうか?
一般的に、バリューレイズに十分なハンドでも一定数は call しなければならない。
なぜなら、Turn, River に強いハンドを残しておく必要があるためである。
 
このバランスを意識できているだろうか?

・ブラフハンドの選定

主にドローハンドを使用するのではないだろうか。
これは、間違いではない。

しかし、この思考では、ドローが存在しないボードで、ブラフ過少になってしまう。

では、ブラフ過少になるとどのような戦略的欠陥があるのかを下記に示す。

①バリューハンドは、相手にコールを貰うことでEVを稼いでいる

②しかし、「ブラフ過小」になると、相手にコールされなくなる

バリューハンドの EV が減少する

つまり、
「ナッツ級ハンドを最大限活かすため、ブラフハンドが必要」なのである。

具体的なブラフハンドなどは、「第4章 実践例」にて考察する。


第2章 check raise の適正頻度

本章の目的:ポジション別の check raise の適正頻度を知る

実践において、適切な check raise の頻度は守られているのだろうか。
 
適正頻度は何%となるのか、予想してから次に進んでいただきたい。


早速ではあるが、2bet pot の適正 raise 頻度を確認する。

シチュエーションは、IP(オリジナル) vs BB の2bet potとする。

IP が33%のCB を選択した場合における、
GTO Wizard の示すBB のcheck raise 頻度は下記の通りである。

参考:GTO wizard Reports : Flop (集合分析)

この相手のポジション別の raise 頻度について、X(Twitter)にて行ったアンケートの結果を下記に示す。

集計結果

「vs BTNのときに一番 check raise 率が高い」と考える方が最も多いという結果になった。
先に示した表のとおり「vs UTG」が正しい選択となるが、正答したのは約3割となり、つまりここでは全体の7割もが間違えている。

この結果から、プレイヤー全体のリークとして「強いレンジを持つ相手への check raise が過少」という傾向があると言える。

以上のことから、実践におけるEP(アーリーポジション)に対するcheck raise はバリュー過多であると考えられる。

そのため、GTO wizard の示す均衡解よりも最適な、別の GTO 戦略(エクスプロイト解)が存在するということになる。


一旦、プレイヤー全体のリークの話に戻る。
この check raise が過少のリークは、どれくらいのプレイヤーが持つのだろうか。
筆者の偏見であるが、このリークは一般大衆が持っていると感じている。

これは、具体的に数値で評価できる。

一般的なプレイヤーの check raise 率は6~9%なのではないだろうか?
GTO wizard のPF レンジを使用していれば、均衡戦略上、10%を下回ることはないだろう。
 
ネットなどでポーカーをしている方なら、スタッツを見れるはずなので確認してみていただきたい。
 
読者の 99% は raise 頻度が足りていないではないだろうか。



第3章 ボードと raise 頻度の関係

本章の目的:raise 頻度が高いボードの傾向を知る。

・ハイカード別分類

BTN vs BB check raise 頻度

赤 : 100% size raise
オレンジ : 50% size raise

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