レンジ安ベットの有効的な使い方
はじめに
本記事は、レンジ安ベットがいつ有効であるのかについてまとめたものである。
レンジ安ベットが肯定される状況は主に二つ考えられる。
①均衡戦略上でレンジ安ベットをしている場合
②相手がレンジ安ベットへの対応を誤る場合
本記事では、①・②のそれぞれについて掘り下げていく。
①均衡戦略がレンジ安ベットをしている場合
検証方法
GTO wizardを用いて、SRPの集合分析について調査する。
ここではレンジ安ベットを「レンジの75%以上で安ベットをすること」と定義する。
BTN vs BBとUTG vs BBのSRPにおいて、全フロップのうち何%でレンジ安ベットが推奨されているか確認する。
BTN vs BB
フロップをBet 33%の頻度が高い順にソートした。
全フロップのうちわずか31フロップにおいてのみ、レンジ安ベットが採用されていることがわかる。
31フロップとは全フロップのうち、たった1.5%である。
レンジベットが用いられているボードのほとんどは、A, Kのペアボードである。これらはIPに非常に有利なボードであるため、レンジ安ベットが好まれる。
UTG vs BB
同様にフロップをBet 33%の頻度が高い順にソートした。
全フロップのうち、84フロップでレンジ安ベットが採用されていることがわかった。
84フロップは全フロップのうちたった5.7%である。
こちらについても、レンジ安ベットが用いられる場面はかなり限定的だと言える。
また、レンジベットが用いられているフロップの多くはA-Jのペアボードとトリップスボードである。
①まとめ
BTN vs BB、UTG vs BBのどちらにおいても、均衡戦略においてレンジ安ベットが肯定されるボードはごくわずかである。
また、それらのほとんどがA-Jのペアボードである。
②相手がレンジ安ベットへの対応を誤る場合
検証方法
最も一般的なスポットであるBTN vs BBのSRPのフロップで検証する。
A73のツートーンボードにおけるフロップIP戦略で検証する。
IPのフロップのベットサイズは33%のみで固定。OOPのレイズサイズは100%のみで固定する。
OOPの
①レイズ
②コール
③フォールド
3つのアクション頻度をそれぞれ変更し、その際のIPのベット頻度の変化を見る。
均衡戦略の確認
均衡戦略を以下に示す。画像からわかるように、IPはレンジのおよそ50%で安いベットを採用している。
それに対しOOPは、レンジの約35%をフォールドし、レンジの約56%をコールし、レンジの約9%をレイズする。
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