【11本目】コンクリート・ユートピア
※ネタバレ
構成
3幕
ACT1:主人公・ミンソンは妻・ミョンファと二人暮らしだ。二人が暮らしているアパートは中間所得層の人たちが暮らしていて、近くにある富裕層が暮らすアパートの人たちから見下されている。そんなある日、大地震が起き一瞬でソウルが壊滅した。唯一ミンソンが暮らすアパートだけが崩落せずすむのだが、アパートには居住者以外の人たちが押し寄せ無法地帯となる。そこで入居者たちが集まり入居者以外を追い出すことと決まる。
PP1→入居者代表・ヨンタクから防衛隊長を命じられ、ミンソンは不本意ながら防犯隊長となる。
ACT2前半:ミンソンは違和感を感じながらも隊長として行動し始める。入居者以外の人々を騙すような形でアパートから追い出すことに成功し、ますますミンソンはあとに引けなくなる。アパートの入居者達は協力しあって防壁を作ったり配給のシステムを整えたり順調だ。中でも一番大切な食料を探しに行く探索隊の仕事はヨンタクとミンソンによって取り仕切られた。探索隊の活動は初めはうまくいくものの、徐々に食料が見つからなくなっていく。そんなとき、食料をたくさんストックした商店をみつける探索隊。結果として商店の人を殺し食料を奪うことになってしまう。ヨンタクの過剰な行動にミンソンは驚くが仕方がないことだと自分自身に思い込ませ、なにも言わない。
MP→そのころ、ミョンファが内緒で居住者以外の人たちを助けていた。そのことがヨンタクにバれ家族の命が危ないとミンソンは危機感を覚える。ミンソンは覚悟を決め、ヨンタクに土下座し忠誠心を誓う。
ACT2後半:ミンソンはよりヨンタクを信用するようになる。ヨンタクの提唱する「入居者以外排除」を心を鬼にして忠実に執行するミンソン。入居者以外をかくまっていた入居者に「私は罪をおかしました」と叫ばせるなど統制がエスカレートしていく。ミンソンは徐々に心を失っていく。そんな中、ミンソンが数カ月分の食料を見つけるが盗賊の攻撃により食料の一部を奪われ探索隊の仲間が殺されてしまう。仲間の死に入居者達の統率が乱れる。
PP3→妻・ミョンファにより「ヨンタクは入居者になりすましている」という事実をミンソンは突きつけられる。はじめはヨンタクを信じて疑わないミンソンだが、非人道的なヨンタクの行動(ヨンタクの身元をバラした入居者を崖へ突き落とし殺す)を目の当たりにし、真実を受け入れる。
ACT3:ミンソンはミョンファを連れアパートから逃げ出す。その夜、ミンソンはミョンファに懺悔と愛の言葉を伝える。深い怪我をおっていたミンソンは夜眠ったまま起きることはなかった。
エピローグ:一人残されたミョンファは心優しい人たちに助けられ、明るい未来を感じさせ、終わる。
3行
大地震により崩落したソウルで唯一生き残ったアパートに暮らすミンソンは入居者代表のヨンタクによって防犯隊長に任命される。
防犯隊長として入居者以外の追い出しに成功したミンソンはヨンタクの影響で排他的な行動がエスカレートしていく。
しかし妻・ミンファによってヨンタクの真実を知ったミンソンは、今までの行動を懺悔し、ミンファへ愛の言葉を伝え死んでゆく。
公式化
セリフ
なにも言わない:回想につなげる
キャラ
ミンソン:冒頭では意思決定ができないが話が進むにつれダークになる(ネガティブなアーク)
ミョンファ:心優しい妻。だが、ミョンファの行動がミンソンを苦しめる
賃貸か持ち家かでつける役職がかわる
ミンソンとミョンファは価値観は違うがお互いを思いやっているからこその行動。こういうのは「切ない」につながる
ストーリー
回想:ミンソンの回想が中盤、ヨンタクの回想が後半である。ヨンタクの回想はネタバラシなのでギリギリまで見せない
構成
冒頭はアパートの歴史から始める。そのあとアパートに住む主人公の話に進んでいく。ラストも横たわったアパートで締める
カットバック、:ミンソンが食料を見つける、ミョンファが死体を見つける→ハラハラ
小道具
アパートのドアにペンキ:罪を犯したものの印
教会:ミンソンが亡くなる場所。ステンドグラスの美しさが、ミンソンが無事成仏したことを教えてくれる。
地図:捜索隊が探していく様子を地図に✗をつけながらわかりやすく表現している。
トランシーバー:入居者と非入居者をつなぐ
家族写真:悲しいときや殺しのときなどに写す
碁石:人殺しの道具(非入居者追い出しの投票に使われたり、ヨンタクの殺人に使われたり)
ゴキブリ:非入居者以外の事をさす
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